カテゴリー:ニューヨーク情報
ビジョンゼロの行方
6月27日のブログで、「信号機がない道路を横断すると、警察に切符を切られて150ドルの罰金を科せられる」J aywalkを取り上げました。
ビル・デ・ブラジオ市長のビジョンゼロの政策。
市民が交通事故で亡くなる件数をこの10年で激減させようとしている取り組みです。
実はニューヨークは殺人犯罪の件数は2012年から21%、2011年からは35%もの減少で効果を挙げているにもかかわらず、車の死亡事故は5-15%上昇しているのです。さらに言えば、自動車の運転手の死亡率よりも歩行者の死亡率が高い。
ニューヨーク市では歩行者の死亡率が52%になっていますが、アメリカ全土の平均は13%。
ニューヨークは地下鉄やバスなどの交通機関が他市より発達しているため徒歩が多いのは事実ですが、それでもパーセントが高いのは事実。
歩行者の死亡事故を減らすため、Jaywalkを取り締まり、まずは歩行者にペナルティを課します。横断歩道がない道路を渡っただけで150ドルの罰金はイタイですよね。
そういえばこの類のニュースで必ず使われる「歩行者」の単語、以前ご紹介しましたが覚えてますか?
歩行者=Pedestrian(Pez)です。
■ 先日、運転手のほうへのペナルティの法案が可決されました
さて、今度は歩行者だけではなく、ドライバーへの取り締まり。
今後市内を走る車のスピードは25-30マイルになりました。歩行者の賛同に対して、ドライバーは今以上の渋滞になると猛反対。トラフィックオフィサーがストリードでスピード違反を取り締まるだけではなく、信号機や道路わきに装置をつけスピードが出ている車は記録される仕組みです。
このブラジオ市長のビジョンゼロ政策はもとはスウェーデンの政策をモデルにしたもの。10年間で50%の交通事故削減に成功しています。
事故件数を減らすのではなく、事故による損傷を減らすように交通システム構築するという逆からの発想です。それがひいては、交通事故自体の現象を引き起こすというもの。
日本ではなかなか逆の発想はないですね。
このニューヨークの市政はCity Hall(下 写真)で行われます。今度の新天地、学校から歩いてすぐの場所です。
ニューヨークのCity Hall、たくさんの近代的なビルの中にお城のようにそびえたっています。学校が終わった帰り、ちょっと散歩をしてみてください。とてもきれいなところです。天気がよい日は気持ちのよい散歩ができます。
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