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英語の勉強に役立ちそうな、ニューヨークが舞台の映画

2017年9月8日

皆さんには、ニューヨークを舞台にしたベストとワーストのテレビドラマについてご紹介したことがありました。ご存じのように、ビッグアップルは年間世界で最も多くの撮影が行われている都市の一つで、たくさんの映画やドラマのロケ地として登場しています。ここまで人気のある理由は何だと思いますか?まず、ニューヨークは季節によって街の景色がとても美しく、まるで映画のセットのように絵になるという事。そしてもう一つの理由は、撮影地として世界中から積極的に誘致をすることにより、州の雇用拡大を推し進めているからなのです。

映画だけでなく数々の文学作品や小説にも登場し、作者によって描かれ方は様々、そして星の数ほどのストーリーを創り出す街、ニューヨーク。エンターテイメントの分野だけでなく、独自の言葉はそれぞれの作品に無くてはならないもの。新作の映画だけでなく、様々な年代の映画を見ることによって、文化をはじめ時代の流れやファッション、ヒット曲の影響や当時流行していたスラング、言い回しも発見できるはずです。

ニューヨークの映画

今回は、英語の勉強にもなり、またニューヨークの時代の推移や社会の変化が垣間見れる映画をいくつかご紹介しましょう。

Desperately Seeking Susan (1985) -マドンナのスーザンを探して 

まず最初にご紹介したい映画は、80年代に大ブレイクしたポップスター、マドンナが出演したことで当時話題になった「マドンナのスーザンを探して」。映画の中でのマドンナの出演場面はそれ程たくさんはありませんが、子供だった頃私はマドンナの大ファンだったので、彼女の真似をしてお化粧をしたり、派手な服を着てアクセサリーを着けていたものです。

映画の舞台はセントラルパークと、現在私が5ブロック程の場所に住んでいるロウアーイーストサイド。ここは元々移民が多く住んでいた地区で、今でもその名残があり多文化が出会う場所。この約30年で様子は変わりましたが、一昔前のニューヨークのようなレンガ造りのアパートが多く、ストリートカルチャー的なおしゃれを楽しむ人が多い地区でもあります。80年代に使われていた言い回しは、ちょっと時代遅れに感じるかも。でも、今でも会話に登場するフレーズもあるので、興味があったら映画を見ながら探してみてくださいね。

Manhattan (1979) - マンハッタン 

この映画はタイトル通り、大都会に住む男女の間で繰り広げられる人間模様を描いた恋愛ストーリー。モノクロの映像はマンハッタンを美しく映していてノスタルジック、美しく細かい描写は観客を何か懐かしさを感じる世界に連れて行ってくれます。映画の中ではガーシュウィンの「ラプソディーインブルー」が効果的に使われていて、都会的なムードをさらに盛り上げています。

ウディアレンはブルックリン出身、生粋のニューヨーカーで、彼の作品にはニューヨークに対する強い愛情が一杯、「マンハッタン」はビッグアップルに送った彼からのラブレターといった感じでしょうか。ウディアレンの作風は、周りくどいようなセリフが多く説教臭いという人も多く、どちらかというと好き嫌いが分かれるかもしれません。映画が製作されたのは1970年代後半なので、当時の会話のスタイルや言い回しは少々古く感じるかもしれませんが、マンハッタンの上級クラスの人々の日常の様子や、ちょっとスノッブ(snob-偉そうな、ツンと気取った)で大人の知的な会話が多いので、勉強になるでしょう。主人公の哲学的な会話のやり取りや、ウディアレンのセリフがどんな風にくどいのかなど、英語の練習として聞いてみてください。 

Taxi Driver (1976)  - タクシードライバー

巨匠マーティンスコセッシ監督による「タクシードライバー」も、大好きな映画の一つ。タイムズスクエアーを舞台に、誰もが知っている名優、ロバートデニーロが演じているベトナム戦争帰りの青年が、ある「運命的な行動」を起こそうとする心の闇と過程を描く映画です。70年代当時のニューヨーク市街は治安が非常に悪く、犯罪、麻薬、そしてゴミの街として知られていました。映画には大都会の狂気と暴力的な面も描かれているので、当時の社会的背景に注目してみると歴史の勉強にもなるでしょう。

「タクシードライバー」を初めて見た当時私はニューヨークには住んでいなかったので、舞台になっていたタイムズスクエアー周辺は全く知らず、ストーリーは分かっていたものの、映画の細かい描写や時代背景には注目もしていませんでした。ビッグアップルに実際に住んでいる現在、1979年以来、ニューヨークという街がどの様な変化を遂げたのか、また人々の接し方や社会がどう変わってきたかなども考えながら、再度この映画を観たいと思います。皆さんも機会があれば、映画の中のタイムズスクエアを訪れてみてはいかがでしょうか。

さて、この映画でロバートデニーロが話すNew York Accent-「ニューヨーク訛り」は実にカッコ良い!皆さんが普段街で耳にする英語とどう違うか、ちょっと比べて聞いてみてくださいね。ここで、ニューヨークの訛りについて少々ご説明しておきましょう。主人公が話しているニューヨークの訛りとは、「ブロンクス訛り」と言われているもの。訛りとはいってもDialect-方言ではなく、いわゆるそれぞれの地区、例えばブルックリンやマンハッタン、ブロンクス、クイーンズなど、住んでいる地域で日常話されている話し方なのです。ニューヨークだけでなく、出身地、生まれ育った環境やSocial Class(社会的階級)でも異なるので、興味があればリサーチしてみてくださいね。

ニューヨークはアメリカ映画だけでなく、世界の様々な国の映画やドラマに登場する大都会。撮影の場所が豊富というだけでなく、ちょっとした街の風景や人々の様子がとても魅力的です。時代の推移や世相を映している映画を探して、英語の勉強にもぜひ役立ててくださいね!