TESOLが今の日本の英語の教育現場にプラスになる理由
2017年9月1日小学生で英語は当たり前の時代に
「日本人は英語ができない」と言われていることを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。ETSが発表しているTOEFLの平均のスコアを見ても、日本人が他の国に比べて英語の力が弱いのは残念ながらすぐに分かってしまいます。文部科学省もこのことは懸念しており、日本人の英語の力を伸ばすために、2008年から公立小学校で「外国語活動」が開始されました。更には2011年からは公立小学校で5、6年生から英語が必修化され、2020年からの新学習指導要領では3、4年生で必修化、5,6年生では英語が「教科化」されることとなりました。今、教育現場において英語の授業や指導法に対しての注目が今まで以上に集まっていることは明らかです。
英語指導がより専門化し、教授方法のノウハウが必要に
公立小学校の外国語活動はALTやボランティア、地域によっては英語を教える先生を雇用しているところもありますが、基本的には担任の先生が教えることになっています。新学習指導要領では小学校の間に子供たちは210時間(3,4年生で70時間、5,6年生で140時間)もの外国語の時間を受けることになり、この時間を教えるには英語を教える専門的な勉強も公立小学校の先生方にも必要だと考えられます。TESOL(第二言語としての英語教授法)は今まで中学、高校の英語の先生のためのものだと考えられていましたが、今後は公立の小学校の先生にとっても必要となってくるかもしれません。
英語が受験科目化し、教える側の英語レベル向上も急務
また小学校で英語を学ぶ時間が増えることによって悩むことが多くなるのは中学、高校の英語の先生方です。まずは中学入試が変わるのではないかと考えられています。今までは中学受験は国語、算数、理科、社会の四教科でしたが、小学校で英語がますます盛んになることによって中学校の入試問題でも英語の試験を取り入れる中学校が増えていくかもしれません。こういったことに対応するためにもTESOLの知識が重要となってくると思われます。
英語を教えるノウハウを体系化した国際標準のTESOLで対応
新学習指導要領でも中学でも高校で英語の授業が英語で行われることが決められているため、今まで以上に中学、高校の先生方にも英語を教えることに対しての高い能力が求められます。これには大学の今までの教職課程の授業での知識や勉強では足りないと考えられます。英語で英語の授業を行うためには英語の力ではなく、ESLの歴史や様々な教授法を詳しく学べるTESOLの知識が必要不可欠なものになってきます。中学の教員免許を取得するためには「教科に関する科目」が21単位、「教職に関する科目」が30単位必要です。簡単に言えば、「教科に関する科目」の方が少なく、海外と違って今の日本の大学では専門的にTESOLを教えられる大学の先生も少ないのが現状です。また今の制度の教育実習では物足りないと考えている大学生もいます。高校の教育免許を取得するためには、2週間(9日以上)しか教育実習の時間が必要ありません。これに対し、アメリカでは教育実習が長期に渡り、教員免許を取得するのがとても大変です。日本の教育実習の制度がすぐには変わるのは難しいですが、国際標準のTESOLのプログラムで学ぶことによって大きく成長することは間違いないです。
今のまた大学入試も今後変わってくることが分かっています。センター試験の英語の代わりにTOEFL等のテストが利用されることが提案されています。こういったことに対応するためにも今まで以上に教育現場においてTESOLがプラスになるでしょう。
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