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ニューヨーク的思考


役所流 2014 年 2 月 27 日

DHSとACCETへの書類の提出が終わりました。総計で4時間もかかりました。ファイルをアップロードする作業ですがDHS(国家安全保障省)へのファイルは100MBを超え、それをメール分割で送れと言うら指示ですからとても時間がかかります。一つのメールの平均は15MBでメールの数は10。一つひとつのメールに添付するファイルは複数に渡り、添付間違いや添付漏れがないように気を使わねばなりません。

ACCETの方は政府認可団体なのでファイルが間違いなく届いたか電話で確認することができました。DHSは役所です。例によってそのようなサービスはありません。私のGメールアカウントにCCして全部届いたことを確認出来ただけで本当のところは分かりません。万が一に備えてログを保管しておきます。届いてないと言われた時の反論の証拠です。

学校の入学申込書も役所の認可が必要です。この度、授業料の改定のためにNYS DOE(ニューヨーク州教育庁)に認可の申請を出しました。NYS DOEの理解不足から私たちの返金ポリシーが許可されません。何度か説明して資料も提出してようやく理解してもらうところまで行ったのに2週間のバケーションとのことです。平気で審査を中断し、担当者たちはさっさと休暇。頭にきますが、役所には逆らえない、言うなりです。米国のこの体制は本当にビジネスを膠着させてしまいます。第一役所とは付き合いたくなくなります。それでも認可が必要で彼ら流に合わせるしかありません。

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ファイルアップ 2014 年 2 月 26 日

 いよいよ、本日ファイルをアップロードします。提出先はDHS (米国国家安全保障省) と全く別の資料でACCET (Accreditation認可団体)。
 米国の学生ビザ(Fビザ)を発行できる全ての学校にこの2つの機関への提出期限が決められています。当社はDHSが2月27日、ACCETが28日です。2つに提出する書類の枚数は1000枚を超します。これをPDF化して合わせて80ファイル位です。用意するのも大変、アップロードするのも大変。ACCETはWeb上のDropboxと言うサービスでアップロードしろとの指示でこれは比較的簡単に済みます。問題はDHS。すべてメールに添付しろと言います。
 説明には”at one time”で送らねばならないとあります。つまり同時に送れとの指示。ファイルは100MBを簡単に超します。送れません、同時には。DHSに問合せを出すと今回はいくつかに分けて良いとの返答。
 このような質問ですが、すべてemailです。電話の場合、ボイスメールに入って返答を待つことになりますが、おおよそ返答はありません。メールでも彼らにとって重要なことには答えてくれますが、自分で考えろと言う意味か表現があやふやで分かりにくいことなど質問しても決して返答はありません。役人は日本でいう”公僕”などとの意識は全くありません。今回、分割してファイルが遅れることが分かっただけで得した気分になるのはこの風土になれているせいと思います。

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絶えない交通事故 2014 年 2 月 25 日

 ニューヨーク市では交通事故が多い。無謀な運転での事故。また、市のごみ収集車に巻き込まれたり、除雪車に轢かれたりなど。
 平日日中のマンハッタンでは常時、渋滞でまた次々と信号があるためスピードの出しすぎで事故が起こることは考えにくい。おおよそ夜中のスピードの出しすぎや除雪車などの作業中の事故です。それでも先日は朝のラッシュの始まりの時間にトラックがバスに突っ込み、バスの運転士が死亡、乗客も重傷を負うと言う事故がユニオンスクエアの近くで起きました。
 ニューヨーク市のクイーンズ地区ではクインーズブルバードと言う道幅の広いメインの道路があり、歩道を渡る時間が足りなく事故に遭った年配者がいました。ブルムバーグ市長の時には事故の減少を狙って交差点に監視カメラを置くと言う策が取られましたがその確かな効力は出ていません。
 減らない交通事故の対策として新市長のデ・ブラジオは市内の制限スピードを30マイル(48K)から25マイル(40K)に変更するとしています。Vision Zero計画です。しかし彼の乗った公用車が一旦停止を無視したことが発覚、弁明に追われています。
 交通事故の一番の原因はやはり運転マナー。市長を筆頭に運転マナーの向上を目指すことが一番大事と思います。

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チャータースクール規制 2014 年 2 月 23 日

 市長が変われば政策が変わる。ニューヨーク市の場合、前市長との政策と180度変わる。その一つがチャータースクールです。チャータースクールとは公設民営の学校。チャーター(その学校の憲法)を掲げ、学校が何を目指しているのかはっきりさせた上で5年内目標達成を目指し民間が運営します。教育団体が運営する場合もありますが多くは会社経営です。
 設立は公的資金で行いますが一般の公立学校と違い、規制が少ないのが特徴です。教職組合に入る規制もありません。学校内の教職員給与も自由に決めることができます。ニューヨーク州では必要ですが州によっては教員免許が不要のとこもあります。ニューヨークでは1998年にチャータースクール法が成立し、毎年その数が増え、ニューヨーク市内で130校くらいになっています。
 公立の学校より教育成果が高く評価され、民間の支持も悪くありません。22校もニューヨーク市でチャータースクールを展開する Success Academy Charter School の女性CEO Eva Moskowizはこのチャータースクールのアイコン的存在で父兄の中に多くの支持者がいます。チャータースクールの開校を認められず、多く父兄を連れ立ち開校に持ち込んだこともあります。
 これは前市長のブルームバーグがチャータースクールの開設に積極的であった背景があります。企業家でもある前市長は結果優先型。チャータースクールが教育的成果を出す一方で、教育的成果も出ない、また暴力沙汰が起こる公立学校を多数つぶしました。つぶれた後に新しくチャータースクールを認めると言う構図です。この市長の強引なやり方は公立学校やつぶされる学校に通う父兄から強い反発がありました。
 今回の市長はこの教育制度を改革することを明言して当選しています。出てきた改革案の一つがチャータースクールは市に校舎の賃借料を支払うこと。チャータースクールは予算が厳しくなるのは教育成果に影響すると猛反対です。新市長デブラジオは公立学校の予算を膨らましたいと考えています。
 確かに予算が縮小してチャータースクールの教育成果が落ちるのは問題ですが22の学校を展開するCEOのEvan Moslowizは年間475,000㌦(4750万円)以上のサラリーを公的予算から引っ張り出しています。公立の資金からと言うのは大きな違和感を感じます。市の学校の総長である School Chancellorですら222,000㌦(2,200万円)。公立ならその学校の長が市の総長より給与が高いのはおかしな発想です。ある時は公立、ある時は私立と言う曖昧なチャータースクール、是正されそうです。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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裁判 2014 年 2 月 22 日

DHSとACCETへの書類提出期限が近づき、作成の山場を無敢えています。今回提出する書類は数百枚に及びすべてPDF化し、指定されたインターネット上のサイトに送らねばなりません。このPDFのファイルを作成するのが本当に大変です。レポートの内容を考えることはもちろん大変ですが証拠となる書類のPDF化にものすごく時間がかかる。
 レポートの内容は私と担当のDavidが毎日、会議を行って決めていきます。これにも、当然すごく時間がかかる。細かい表現の方法や情報の取捨選択を話し合います。社内だけの話ならまだ早いのですがこの件にコンサルタント会社が絡みます。法律絡みのレポートとなるので専門家に監修を委託しています。
 この専門家、どうみても間違いの修正案を送ってきます。私たちが指摘しても中々、その間違いを認めせん。勿論、謝りもしません。怒ったDavid、契約破棄して、顧問料を返金してもらうと言いだしました。それどころか訴えるとまで言います。
 米国では訴訟は特別のことではありません。あまりに訴訟が多いのでSmall Court(スモールコート)と言うシステムがあり、原告側は大きな費用をかけずに訴訟が出来ます。3000㌦(30万円)までの訴訟しかできませんが手続きはとても簡単に裁判が出来ます。実はこのようなシステムがあるため、ビジネス上の否があっても簡単に認めたり、謝ったりしないのが米国では通例です。認めてしまえば裁判で負ける。だから簡単には認めない。しかし、この態度は余計相手を怒らせてしまう。相手にとっては謝れば何もなく済むかも知れないが裁判を起こされて謝ったおかげで負けるかもしれないと言うジレンマです。このようなケースでは一般的にはこの国では謝りません。なのでDavidは本当に怒っている。妥協点を見出すしかありません。

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サービス 2014 年 2 月 21 日

 日本に届ける荷物があって午前中、郵便局へ行きました。午前9時からの開店時間に合わせて行きましたが、予定より早く着きそうで10分ほど待つことになるかなと思いきや、すでに2名の先客があって私は3番目で開店を待つことになりました。次から次に客が来て9時前にはもう長い列が出来てしまいました。
 早く来て良かったとちょっと得した気分。しかし、9時を過ぎてもカウンターのシャッターは開かない。シャッターの向こう側からは職員の話し声や笑い声が聞こえてきます。9時5分を過ぎても声は聞こえるがシャッターは開かない。9時10分近くになってようやくサービス開始。シャッターの向こうには5,6のカウンターがありますが驚くことに受付にいるのは女性一人と男性一人、男性の前には”CLOSED”の表示。お隣りへどうぞと言う意味です。こんなに並んでいるのにたった一人しか受付にいない。
 20分近くになるとようやく3名がオープンで合計4名でサービスの開始。また一人の客にかける時間が10分以上もかかる。並んでいる人たちはうんざりした顔をしていますが誰一人として文句は言いません。米国人はがまん強い?いやそうでなく、米国でのサービスはこの程度が普通とみんな思っているからです。自己主張の強い米人ですからここに並んでいる人たちが一旦、日本並みのサービスを経験したらきっと文句を言うと思います。

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メッセンジャー 2014 年 2 月 20 日

 今日はメチャメチャ暖かく感じます。と言っても3℃位ですが。先週に変わって今週、気温は急上昇の予定で金曜日には11℃まで上がるとの予報です。それでも歩道の片隅の氷はまだ解けていません。まっ黒になった氷がまた凍ってしまうBlack Ice警報が今朝も出ていました。
 本日もDHSとSEVIPに提出書類作成に追われています。必要な書類のやり取りはほとんど電子メールなどでPDFなどのデジタルのやり取りを行います。しかし、中にはどうしても現物書類のやり取りしかできない場合があります。郵送やFedExを使えば時間がかかる。また米国の郵送はあまり信用ができません。違ったところへ配送されたり、紛失したり。郵送したのに届いてないとのクレームからもめごとになったことが何度もあります。
 当局は取得した自動車免許を郵送したと言いきりますが、私の部下で結局免許書が来なかったという事例も知っています。郵送の場合はCertified(配達証明書)付きにしなければ安心できません。そうなると郵便局へ出かけねばならなくなり、長い列に並び、時間もかかります。
 急いでいるときはメッセンジャーを使うしかありません。日本でいうバイク便のようなものですが、これが頼んでも1時間たっても2時間たっても来ない。来たかと思うと荷物を頼むのも気の毒のようなおじいさん。しかもバイクでなく徒歩、電車で目的の会社まで行くようで、本当に大丈夫か気がかりになります。この国、日本と同じスピードで考えず、かなりののりしろが必要です。

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米国式しごと 2014 年 2 月 19 日

 DHS(国土安全保障省)とACCET(政府認可団体)に提出する書類の期限が迫り、忙しくしています。提出書類の内容は多岐にわたり、社内でも複数の人間が関わり、更に弁護士やコンサルタント会社からも情報を寄せ作成します。このような時、複数の米人とやり取りをしながら仕事を進めていくのですが時々、日本との商習慣、文化の違いで戸惑います。
 会社同士の取引であっても担当以外はタッチしない。担当者が病気になれば一切ストップ。実際今回はコンサルタント会社の担当者がインフルエンザで業務は1週間停止。まあ、このようなことにはこの米国ではもう驚きませんが、日本では期限がある中、こんな事態は起きないでしょう。
 米人にありがちなのは持論は決して曲げない、間違っていてもそれを認めることが中々できない。お互いに求める真意にたどり着くまで時間がかかります。それでも役所の官僚とは違って民間同士の場合はいづれお互いの利にたどり着くのですが。ともかく時間がかかる。
 今はカリフォルニアの会社とやり取りをしていますが米国内時差でニューヨークとは3時間差。同じ米国内でもこちらが午前中に情報がほしくても午後からしか連絡がつきません。米国の仕事は超特急という概念は捨ててやらねば番狂わせをします。今週が書類作成の山場となります。

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プレジデントデイ 2014 年 2 月 18 日

 今日はPresidents Day(プレズデント デイ)。米国では代表的な祝日の一つです。一般的にはアメリカの初代大統領George Washington(ワシントン)の誕生日を祝う日とされていますが、州によってはAbraham Lincoln(リンカーン)の誕生日を祝う日。またある州では両方の大統領の誕生日を祝う日とされています。ワシントンが2月22日、リンカーンが2月12日と両人ともに2月生まれだからです。
 Presidents Dayは2月の第3週の月曜日と決まっています。毎年この日に現在の大統領の支持率などが公表されますがオバマ大統領の人気は大きく下落。去年のPresidents Dayでのオバマ大統領の支持率は52%、今年は10ポイントも下がって42%。皆保険導入に反対する国民、更に制度導入に賛成だった国民もその皆保険制度の諸所の不手際に大きな不満。  2008年のリーマンショックで米国が不景気のどん底にあった中で行われた選挙戦。その中で勝ち抜いてきたのがオバマ大統領です。不景気で仕事がなくなった人々、またローンの破たんで家を失った人々がオバマ大統領の”Change(チェンジ)”の言葉に希望の光を見つけようと現大統領を支持しました。大統領に就任してから再選を経て今年で6年目です。
 上院下院の逆転国会で大統領の思うことが決まらない。直接選挙で国民自ら大統領を選ぶ、大統領には軍隊を動かすなど大きな権限があります。議会で成立した法案を破棄することも出来ます。大統領のサインなしでは法案は成立しません。しかし、議会が認めない限り法案は大統領の手元には上がってきません。米国大統領制はこのようにして大統領の独裁を禁じています。

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官僚つよい 2014 年 2 月 17 日

 日曜日のミッドタウンは閑散としています。いつもは会社員でにぎわうマンハッタンのビジネス街ですが、会社やレストランもしまって観光客だけとなり、人出がぐっと少なくなります。
 今日は日曜日返上で仕事です。月曜日が祝日で米国は3連休なのですが、私にとっては邪魔されなく仕事が出来るチャンスです。米国の学校はDHS(国土安全保障省)とDOE(教育庁)の2つの管轄下にあります。2001年にニューヨークで起こった同時テロ事件の犯人がFビザの学生ビザステータスであったことから学校に対しての規制が強まりました。米国の学校はビザを発行するために必要なI-20と言う書類を発行できるのですが、10数年、監査がなかったこの発行権利にDHSの監査が始まりました。
 Recertificationと呼ばれるこの監査は全米中のFビザに必要なI-20を発行できる学校を運営が法に沿って的確か再審査します。PCTECHもその対象です。このDHSに要求された書類を今月末までに提出しなければなりません。会社の所有者の証拠書類に始まり、指定された生徒の細かい情報を提出します。
 書類の準備だけで数週間を要し、更にレポートとしてまとめねばなりません。実はこのRecertificationの合格にはAccreditationと言う認定必要です。これも同時並行しており、ACCETと言う認可団体にも膨大な書類を提出しなければなりません。こちらの期限も今月いっぱい。つまりダブルで忙しい。せっかくの連休ですが休む暇はありません。
 このような大事な認可ですが、提出の通知はメール一本です。取り損ねたらおしまい。郵送での通知はありません。また、提出もメール一本。膨大な書類は指定されたサイトへアップロードすると言う形で書類の郵送は認められません。当然、すべての書類をスキャンしてPDFにすると言う時間のかかる作業が割り込むわけです。
 だけどNYS DOE(ニューヨーク州教育庁)などはファイルの転送などは認めずFedExか郵送だけです。
 ただ郵送であろうがメールであろうが両サイドとも送っても受領したと言う通知が来ないこと。聞いても教えてくれません。下手をすると大事な書類が行かないこともありうる。そんなことから心配しなければなりません。役所の仕事は一方通行です。官僚体制、米国の慣わしです。

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