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ニューヨーク的思考
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2013 年 9 月 20 日

カテゴリー:NYこのごろ

市長選その後

 決選投票(Runoff)を宣言していたBill Thompsonは月曜日に1位のBill de Blasioを支援することを発表し、事実上、決選投票はなくなり、Primaryで1位を制したBill de Blasioがニューヨーク市長の民主党候補と決まりました。
 Bill de Blasioは市長の有力候補であったQuinn氏やビルクリントン元大統領、ヒラリークリントン国防長官の支援も取り付け、11月の市長選に向けて準備を進めています。
 ですがPrimary選挙から8日たった今も得票数は正式確定していません。選挙委員会は水曜日の時点でようやく古い選挙箱5,059と緊急事態における投票をあわせて8,415の追加カウントを終了しました。結果はBill de Blasioの優位性を若干あげて40.88%。しかしながら不在投票や海外投票を含む68,000票のカウントはまだです。選挙委員会はこのカウントがいつ終了するのか目途がたたないと説明しています。
 米国の選挙はこのような曖昧な部分があってスッキリしません。2000年の大統領選挙はジョージWブッシュとアルゴアの対決となり、フロリダ州の開票結果が明暗を分けることになりました。フロリダ州の選挙委員会はジョージWブッシュが1000票の差でゴアを破ったと発表しましたがその後、開票のずさんさが発覚。ゴア側が票カウントのやり直しを主張し、フロリダ州最高裁は投票の数え直しを命令しました。
 当時のフロリダ州の知事はブッシュの弟。色々な憶測を呼びながら再カウントは進み、リードしているブッシュとゴアとの投票の差は300強まで縮まりました。
 ここでブッシュ陣営は連邦裁判所にフロリダ州の最高裁命令の投票数え直しは憲法違反と訴え、連邦裁判所は票の数え直しは違法と判断。2000年11月7日に行われた大統領選挙は同年12月12日の連邦裁判所の司法判断でブッシュの勝利と決定しました。
 なんか、納得がいかないでしょう?本来、民意を反映した票で決まるはずの大統領が司法判断で実質決まった。これが米国流。法の場に持ち込むのが当たり前。それでも国民はこの選挙結果にスッキリしたわけではありませんでした。大統領就任式で暴れた国民もいました。
 選挙はやはり票を正確にカウントしてそれだけで決めるのが本来の姿と思います。今回も民主党内の話し合いで市長候補が決まった感は否めません。民主主義を謳う米国。実は官僚の権利が最も強い国かも知れません。

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