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ニューヨーク的思考
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2014 年 1 月 19 日

カテゴリー:NYこのごろ

米国気質

 自由の国、米国。資本主義の国、米国。そして民主主義の国、米国。と米国はその自由主義を世界に発信しています。その米国のトップが大統領。
 私の感じる米国は官僚、権威主義です。オバマ政権のあとの次期大統領選挙の選挙合戦はすでにはじまっています。民主党からはヒラリークリントン女史が有力視され、彼女の応援した知事が当選、多くの国民が女性大統領誕生へと期待を寄せます。かたや共和党では作昨年、ハリケーンサンディがニューヨークと隣のニュージャージー州に上陸し、多くの被害を出したときに、共和党でありながら民主党のオバマ大統領と一緒にニュージャージー州の被災地を見て回った現ニュージャージー州知事のChris Chritieが有力候補。その被災地訪問風景を全米にAmerican Governor(これこそアメリカの知事)とTVなどのメディアを通じアピール、全米から大きな支援を得ていました。
 2001年の911ニューヨーク同時テロの時も、当時のニューヨーク市長ジュリアーニが同時テロの被災地を回りリーダーシップを全国民にアピールし、やはりAmerican Mayor(これこそアメリカの市長)となりました。その後、ジュリアーニは大統領選挙へと進みます。
 アメリカ人の気質の一つに”ヒーロー”があります。人を助けたり、難しい場面でリーダーシップを発揮して皆を導いていく人を米国人はヒーローと呼んで拍手喝さいを送ります。サンディの時、リーダーシップを発揮したChristie Chritieはまさにそのヒーロの一人。共和党からの大統領候補第一人者に名乗りを上げても不思議はありません。
 しかし、このヒーローのまわりで何やらよからぬムードです。ニュージャージー州にはニューヨークに隣接するHoboken(ホーボケン)と言う市があります。ここの市長をChrisの側近が脅したことが発覚。連邦政府から出るハリケーンサンディの復旧予算で市の再構築を行うのですが、知事側から指定された業者を使えとの脅し。知事側の言う業者は知事の内閣にいた元幹部が今、その業者のLobyist(顧問)をしています。その顧問弁護士も知事と深い関係があります。
 ハリケーンサンディでヒーローになった知事がその復旧予算で私欲に走っていると言う構図です。
 更にBridge Gate事件。ニューヨーク州とニュージャージー州にもう一つの接点の市としてFort Lee(フォートリー)があります。私もテニスをやったり、日本食品を買ったり、よく車で出かける場所です。すいていればマンハッタンの自宅から高速で橋を渡って20分くらいで到着です。その橋をWashington Bridegeと言います。時間によってはひどく混みあうのですが、事故がない限り、昼間はすいています。この橋でFort Leeからニューヨーク側に入る料金所のレーンが2車線閉鎖されたのです。去年の9月3日から13日、意図的に閉鎖されてFort Lee側は大渋滞を招きました。閉鎖したのはChrisの側近。ニューヨーク州知事クオモの命令により解放となりましたが大変な迷惑です。
 Chris側は交通調査のためと説明。しかし”今こそFort Leeで交通問題を起こす時期”と言う側近のメールが見つかり、去年のニュージャージ州知事選挙でChrisを支援せず、反対政権を支援したFort Lee市長への仕返しと判明。大きな反応を呼んでいます。仕返し…いわゆる権力の見せつけ。言うことを聞けと言う意味でしょうか。こんな米国の側面見る限り、自由より権威欲、官僚欲、そして個人主義の進んだ国と感じてしまいます。この大国、根っこは何かなと考えさせられます。

 

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