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ニューヨーク的思考
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2014 年 2 月 23 日

カテゴリー:NYこのごろ

チャータースクール規制

 市長が変われば政策が変わる。ニューヨーク市の場合、前市長との政策と180度変わる。その一つがチャータースクールです。チャータースクールとは公設民営の学校。チャーター(その学校の憲法)を掲げ、学校が何を目指しているのかはっきりさせた上で5年内目標達成を目指し民間が運営します。教育団体が運営する場合もありますが多くは会社経営です。
 設立は公的資金で行いますが一般の公立学校と違い、規制が少ないのが特徴です。教職組合に入る規制もありません。学校内の教職員給与も自由に決めることができます。ニューヨーク州では必要ですが州によっては教員免許が不要のとこもあります。ニューヨークでは1998年にチャータースクール法が成立し、毎年その数が増え、ニューヨーク市内で130校くらいになっています。
 公立の学校より教育成果が高く評価され、民間の支持も悪くありません。22校もニューヨーク市でチャータースクールを展開する Success Academy Charter School の女性CEO Eva Moskowizはこのチャータースクールのアイコン的存在で父兄の中に多くの支持者がいます。チャータースクールの開校を認められず、多く父兄を連れ立ち開校に持ち込んだこともあります。
 これは前市長のブルームバーグがチャータースクールの開設に積極的であった背景があります。企業家でもある前市長は結果優先型。チャータースクールが教育的成果を出す一方で、教育的成果も出ない、また暴力沙汰が起こる公立学校を多数つぶしました。つぶれた後に新しくチャータースクールを認めると言う構図です。この市長の強引なやり方は公立学校やつぶされる学校に通う父兄から強い反発がありました。
 今回の市長はこの教育制度を改革することを明言して当選しています。出てきた改革案の一つがチャータースクールは市に校舎の賃借料を支払うこと。チャータースクールは予算が厳しくなるのは教育成果に影響すると猛反対です。新市長デブラジオは公立学校の予算を膨らましたいと考えています。
 確かに予算が縮小してチャータースクールの教育成果が落ちるのは問題ですが22の学校を展開するCEOのEvan Moslowizは年間475,000㌦(4750万円)以上のサラリーを公的予算から引っ張り出しています。公立の資金からと言うのは大きな違和感を感じます。市の学校の総長である School Chancellorですら222,000㌦(2,200万円)。公立ならその学校の長が市の総長より給与が高いのはおかしな発想です。ある時は公立、ある時は私立と言う曖昧なチャータースクール、是正されそうです。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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