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ニューヨーク的思考
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2013 年 7 月 15 日

カテゴリー:NYこのごろ

デモ

 日曜日に全米中で大きなデモが起こりました。ニューヨークでもハーレム、タイムズスクエア、ユニオンスクエア、ブルックリンのダウンタウンで何千人と言う人がデモを起こしています。
 先日、フロリダでの黒人少年を射殺した白人男性に対する無罪判決によるものです。米国の一部の州ではパトカーが破損されるなど破壊行為もみられます。
 前にも書きましたが、この事件はフロリダの自警団の白人男性George Zimmermanが不審な黒人少年を見つけたとし、警察に通報した後、この黒人少年を追跡、その後、乱闘となり、射殺したものです。黒人の少年は17歳、キャンディーの袋を持っていただけ、フード付きの服を着てフードをかぶっていたことから年齢もわからず、ますます怪しく見えたようです。
 Zimmermanは駆けつけた警官に正当防衛を主張し、警察はそれを認め、逮捕せずに釈放しました。これは報道後、全米の関心を呼び、オバマ大統領までコメントを出しZimmermanは一転、逮捕され裁判が始まりました。
 裁判中には黒人少年Trayvonの素行の悪さなどが暴露され、原告、被告とも激しい攻防を続けました。
 裁判の大方の見方はZimmermanが不利、25年か無期の第2級殺人罪が適応されるだろうと言うのが一般的でした。
 最終の判決は6人の陪審員で行われ、6人とも女性で母親、17歳の少年を殺したこの事件、ますますZimmermanには不利であろうとの見解でした。
 しかしながら出た判決は無罪。これに怒りを露わにしたのが今回の全米中で起こっているデモです。
 この事件は人種差別問題、銃規制と絡み、全米での大きな関心となっています。フロリダ州には Stand Your Ground Lawと言う法律があります。危険を感じたら銃を撃つことを認める法律です。事件が起きた当日、この法律によりZimmermanは人を殺したにも関わらず逮捕もさせず帰宅したわけです。
 全米中で起こっているデモに不安を感じたオバマ大統領は米国は法治国家であって、国民は落ち着くようにとの緊急声明を出しました。ネットでも16万人を超える判決に対する反対署名が集まり、大変な騒ぎです。米国は過去にも人種問題、銃規制問題を何度も大きな騒ぎを起こしています。一度出た判決は覆ることはありませんが、検察は民事でも人権問題で争う姿勢を見せています。銃で17歳の少年を射殺して何の罪もないとは、正義とは言えない、と言うのは当然のように思えます。

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