Menu

ニューヨーク的思考
RSS Feed

2014 年 1 月 23 日

カテゴリー:NYこのごろ

マリファナ解禁

 コロラド州とワシントン州で嗜好品としてマリファナ(大麻)を販売することが合法となりました。マリファナを合法化している州は他に17州ありますがいずれも医療用の使用に限ってです。連邦法では嗜好品としてのマリファナの販売は禁止されており、いまだマリファナで稼いだお金は銀行に預けることはできません。
 ワシントン州より先に解禁されたコロラド州ではデンバーでマリファナ販売大手の店に列ができる盛況です。州法によって一人28gだけ、また公共の場でマリファナを吸うことは禁止されています。他州ではコロラド州にマリファナツアーに行く企画まででて大きな波紋を呼んでいます。
 元々、マリファナは日常的に行商で違法販売されていた経緯はあるものの合法にすることが良いのかどうかは大きく意見が分かれています。コロラド州の小さな子を持つ母親はマリファナが子供の食べ物に混じることを心配しています。
 先日、オバマ大統領が記者会見の中で”マリファナはアルコール飲料(酒)より害がない。以前からマリファナは害がないと政府内に沢山のレポートが存在していた。”などのコメントを出し、これまた物議を醸しています。自身もマリファナの経験があり、害はなかったとの見解です。
 マリファナの合法化に関してはお金の問題は大きくかかわっていると思います。もちろん、マリファナの嗜好品販売が出来る州は大きな税収を得ることができ、実際、コロラド州はマリファナ販売で得る巨額の税収を教育設備に充当する考えを表明しています。州の収入は大きいのですが、もっと大きいのが米国全体でマリファナの取締りに必要な経費です。 数年前、セントラルアメリカの国立公園でマリファナが堂々と栽培されていたと言うショッキングな事件がありました。米国の国立公園は規模が広く、その山の奥で栽培されていたわけです。もし、もっと本格的にマリファナ取締りをすすめるとしたら莫大な経費がかかることになるでしょう。表だっての議論は出ませんがそのような事情もあると思います。 ニューヨークではジュリアーニ市長が采配を振る前、20数年前まではマリファナの取引があちこちであり、特にニューヨークのトイレが取引の場として活用されていました。そのなごりでいまだにニューヨークのデパートなどを除く商用ビルではトイレはカギがかかっているところがほとんどで、カギなしではトイレの利用ができません。アルコール飲料も事件を引き起こす”悪”のイメージの強い米国。それなのに大統領がアルコール飲料よりまし、と言ってしまうのは理が通りません。

ブログランキング・にほんブログ村へ