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ニューヨーク的思考
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2014 年 2 月 7 日

カテゴリー:NYこのごろ

記録的寒波、経済も凍る。

 昨日のWinter Storm第二弾はニューヨーク市にさまざまな障害を起こしています。大雪から簡単に想像できる障害でなく、ニューヨーク市の抱えるもろさが分かります。ニューヨーク市はCon Edisonと言う電力会社が電気を供給しています。毎年夏になるとクーラーなどで市民が電気を大量に使うおかげで、ニューヨーク市のどこかしらは停電してしまいます。数年前は3日ほどこの停電が続き、暑い盛りの市民生活を直撃しました。停電はクーラーをとめるばかりでなく、ガソリンスタンドの給油もストップ。夜はもちろん電気はありませんが、なにしろ一番厳しいのが水が出ないこと。
 ニューヨークは高層ビルが多いために水は一旦屋上に吸い上げてそれから各部屋へと分配します。停電になると吸い上げるモーターが止まり、水が出ません。飲み水もそうですが風呂、そしてトイレの水も出ません。電気は本当にすべての生活の基本です。
 今回のWinter Stormでもマンハッタンのハーレム地区が電気使用の制限を言い渡されました。雪で?電気のケーブルが雪で切れた?と思いきや、積もった雪が解けて電気ケーブルに流れる。そこまでは良いのですが、この解けた水、市の衛生局がまいた凍結用の塩を含み、その塩が電気回路の邪魔をすると言う簡単に想像できない原因です。
 ニューヨークは世界の先頭を行って早くから近代化がすすみました。しかし、その逆に昔から使われているインフラも相当古くなっている。そんなことから色々な不備が生じます。塩に弱いインフラ。言われればニューヨークらしい気がします。
 全米で寒波が続き凍結防止用にまく塩が不足しています。塩の値段も高騰し、例年の4倍にもなっています。ニューヨーク市では昨年346,112トンの凍結防止用塩を使用しました。今年はすでに250,000トンを使用しています。寒波で車の販売も鈍っています。この寒波経済にも冷たい風を吹かしています。

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