カテゴリー:NYこのごろ
日本海と東海
Sea of Japan (日本海)の名前があぶない。韓国が主張する East Sea (東海)の名前を米国の公立学校の教科書で使用すると言う法案が可決されています。先日、バージニア州でにSea of JapanとEast Seaの教科書への併記が法案として可決、続いて2月7日にはニューヨーク州の州議会に同じ内容の法案が提出され、更に10日にはニュージャージー州の州議会にEast Seaの単独表記を求める法案が提出されました。教科書の単独表記が可決されると”日本海”の表記は一切なくなることになります。
2012年にThe International Hydrographic Organizationが日本海(Sea of Japan)を一般名と認める結論を出してからの韓国側の逆転劇に発展しています。ニューヨーク州もニュージャージー州も韓国移民の多い州です。マンハッタンにはコリアン街があってちいさな韓国を作っています。韓国コミュニティーはニューヨーク、ニュージャージーのあちらこちらに存在し、私がよく利用するニュージャージー州のゴルフ練習場も韓国人の経営。客も韓国人が多く、よく韓国語で話しかけられます。
このようなコミュニティの出身であるコリアンアメリカンが州の議員として法案を押します。また韓国の団体が議会に圧力をかけます。米国人で日本と韓国の歴史や関係を詳しく知っている議員は少ないでしょう。議員でない一般の人ならことさらです。多くを主張する方が正しい意見として取られるのは防ぎようがありません。
ニューヨークの日本大使館がニュージャージー州にできた慰安婦像の撤去を求めても聞き入れられません。大きなグループに向かって一人が叫んだところで聞き入れられるはずがありません。
”移民”、様々な国からここ米国に移民して生活している人がたくさんいます。その移民者が作るコミュニティー。もはや白人がマイナーになろうとしている米国。チャイニーズアメリカの人口も増え、その発言力を増しています。今度の法案も米国人の提案で決まったものではありません。米国で生活する韓国人が後押しをしているのです。
ニューヨーク市やニュージャージ州で暮らす日本人も5万人以上と相当数います。なのに韓国ほどの力がない。ニューヨーク近辺で暮らす日本人のほとんどは駐在です。数年、ニューヨーク近辺で暮らすと日本に帰る。ニューヨーク市なら金融・証券会社、ニュージャージ州なら工場関係。
帰国することが前提。韓国のようにジャパンタウンもなければコミュニティもありません。国内でグローバル化の重要性を声高にする日本。しかし、本当の意味で海外へ進出しなければグローバル化にはなりません。文科省も英語の重要性を説いていますが、その英語で何を目指すのか。日本人ももっと海外へ”進出”するべきと思います。