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ニューヨーク的思考
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2012 年 2 月 26 日

カテゴリー:NYこのごろ

先生の評価。日曜日の大公開。

  今日の日曜日はいつものニューヨークの暖かい冬の日になりました。気温が5℃以下。寒は戻ったと言っても暖かい。明日は13℃まで上がるようで。
  昨日、話題にした先生の評価の件です。なんと今日はニューヨーク市12,000名以上の教師の評価一覧がWebに公開されています2007-2012)。名前、所属の学校、評価点、評価すべてが分かります。自分の子供が習っている先生のスコアを瞬時に知ることができます。最高点が99点で105名、最低点が0点で24名です。誰が0点だったのかすぐに分かってしまいます。
  日本で言う個人情報云々など異議を申し伝える人はいません。情報公開の自由(Freedom of Informatio Law)と言う法律のおかげです。知る権利の前にはPrivateはない。この考えは犯罪にも適応されていて逮捕された犯罪者がいつ刑務所を出所するのか、出所した後、どこに住んでいるのかなども公開されています。特に性犯罪者などは情習癖があるとみなされ、出所した後もみんなで監視する意味合いがあります。個人の権利と知る権利、公共の利益に応じて使い分けているのが米国流と言えます。
  さて、この先生の評価ですが評価した側の教育庁は公開の予定はなく、学校での査定に使用する内部資料のつもりだったのですが報道関係からFreedom of Informatio Lawによる公開を求められ、1年半の係争の末に今回公開されました。国語と算数の統一テストで生徒の点数が基準値と比較してどのくらい取れたが評価の中心となります。この評価のユニークな点はこの基準値が生徒の貧困度合(poverty level )、出席率(attendance rates)、民族( ethnicity)、前のテストの点( previous test scores)等の条件で変わることです。ずばっと貧困度合いや民族などを明記するところが米国らしくわかりやすいと思います。日本でこれをやるものならあちこちから何を言われるか分かったものではありません。
  資本主義の元、大統領を頂点に徹底したトップダウンの権力構成が可能にしているように思えます。異議があるときはすぐに司法で解決。司法の判断も時間がかからない。日本も見習うことがあるように思います。この先生の評価(Teachers Evaluation)、先生の間で賛成者も多く、”反対している人はしっかり指導していない。何か隠しているから反対している。指導は十分な準備と情熱を持ってやるべきだ。スコアが悪ければ反省するべきだ”評価を受けた一人の先生のコメントです。同感です。

広域通信制高校 一ツ葉高校 校長

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