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ニューヨーク的思考
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2012 年 4 月 12 日

カテゴリー:NYこのごろ

正当防衛

全米中で議論を沸かし、犯人逮捕を求めるデモまで起きた事件で容疑者のZimmermanが第2級殺人で逮捕されました。45日前、Zimmermanは黒人のTrayvon少年を怪しいと通報ののち、自己防衛と称してこの少年を銃殺しました。
  フロリダにあるStand-Your-Ground-Lawと言う法律。身の危険を脅された場合、相手を死に追い詰めても良いと言うものです。いわゆる正当防衛を認めた法律です。
  フロリダの警察は現場に駆け付けた時、Zimmermanの供述を信じ、この事件は自己防衛によるものでフロリダのこのStand-Your-Ground-Lawによって逮捕の必要はないと判断。容疑者はそのまま釈放されました。
  ところが被害者のTrayvon少年は武器は持っていなかったこと、黒人であったことから人種差別がらみの大きな問題となりオバマ大統領がこの事件に憂慮の発言をしたこともあり全米中の関心となっていました。今回の逮捕はそのような世論の中で動いたものです。
  これからこの事件は司法の元へとその罪の判断がゆだねられます。ご承知の通り、米国の裁判では12人の陪審員の合意のもとに有罪か無罪かが決められます。このような人種問題が絡む事件の場合、その陪審員の人種によっても判決が大きく変わります。
  前にある州で起きた正当防衛にかかわる、やはり白人が黒人を射殺した事件の裁判。陪審員12名がすべて白人で無罪判決となりました。これも大きな騒ぎとなった事件でした。永遠と横たわるこの人種の問題、アメリカの陰といえます。

広域通信制高校 一ツ葉高校 校長

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