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ニューヨーク的思考
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2012 年 5 月 17 日

カテゴリー:NYこのごろ

ハドソン湾の軌跡

  私の自宅はイーストリバー沿いの北のほうに位置するのですが、昨日、近所の人たちがCity Hall(市役所)に抗議に出かけました。4、5年前から自宅付近で問題になっているゴミ処理施設建設の反対デモです。もちろん、付近住民である私も反対です。
  DSNY(衛生局)が住宅街の真ん中に土地を所有しており、そこにゴミ処理施設を建設すると言う計画です。その計画地はアスファルトグリーンと言う子供のためのスポーツ施設に接しており、スイミングや野球、サッカー、バスケットボール、陸上競技、と子供のためにあらゆるスポーツの場を提供しています。日曜日はほとんど毎週、何かのイベントが開催され、子連れの家族が多く集まります。
  学校も付近に数校位置し、それ以前に住宅地の真ん中である地になぜ?と思います。
  先日、”ハドソンリバーの奇跡”を起こしたSullenberger(サリンバーガー)パイロットがラジオのインタビューに応じてました。2009年の1月にラガーディア空港を出発したサリンバーガーキャプテンの操縦する飛行機が空港付近を飛んでいた雁に直撃されすべてのエンジンが止まりました。
  事態を冷静に判断したキャプテンはハドソン湾に着水することを決め、空港に戻ることをすすめた管制塔にハドソン湾に着水することを告げました。緊急援助隊がハドソン湾に向かう中、サリバンキャプテンは一人の犠牲者も出すことなくしかも機体もほぼ損傷なく見事に機を軟着陸。
  軟着陸した機体を離れる時は、全員が救出されるまで最後まで海に浮かんだ機体に残り、機を離れる時は沈みかけた機内をもう一度、チェックしたと言う冷静者。そのヒーローぶりは一躍、その名前を全米中にとどろかせました。
  その奇跡のヒーロー、サリンバーガー氏がラジオでラガーディア空港の付近にゴミ処理施設を作ることは鳥を呼び寄せ、飛行機の運航を危うくすると明言しました。問題の土地はイーストリバーを挟んでラガーディア空港との対岸、イーストリーバー沿岸に面しています。  このアメリカンヒーローの思わない援護射撃が我々、付近住民をいかに勇気づけたか。抗議デモがあったのは彼の発言の次の日でした。
  このような問題は皆の利益が一致することはありません。ただ50億円もするような施設(実際は経費を含むと200億円とも言われています。)をこんな高級な土地に建てる必要があるのか本当に疑問です。資産価値の高い土地なのでもっと見合った利用の方法があるように思ってなりません。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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