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ニューヨーク的思考
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2012 年 7 月 25 日

カテゴリー:NYこのごろ

The Dark Night Rises

コロラド州で起きたバットマンの最新作”The Dark NIght Rises”上映中の乱射事件の余波が続いています。昨日容疑者のHolmes(24)が裁判所に最初の召喚を受けました。赤毛色に染めた髪で無言、眠たそうにする映像を見て犠牲者の家族をはじめ、多くの人が憤りを感じています。米国ではこのような大きな事件の場合、普通の裁判と違い、判決までがおそろしく速いスピードで進みます。TVでは通常のケースなら4年かかる求刑はこのケースの場合は1か月で終了すると解説しています。重大事件でありやったことは誰の目にもはっきりしている以上、時間を省き、判決を急ぐ。乱暴のようですがこれが米国流です。
映画の配給先のWarner Brothersは被害者達にまとまった寄付を行うことを発表しました。日本でも予定されていた出演者が来訪してのプレミアム上映は東京、パリ、メキシコシティとすべてキャンセルとなりました。作品の前に上映されるショーンペン主演の”Gangster Squad”の予告編も映画館内での乱射のシーンがあると言うことで取りやめです。このような大きな作品の公開があった週末の売上は宣伝の意味も含めて大きく報道するのですが今回は昨日まで公開を控えていました。このような惨事にも関わらず公開は大成功で週末の売上は160.9ミリオン㌦(160億円)だったようです。
  今後、米国映画館協会が犠牲者への寄付活動に動くか注視されています。民間ではこのような動きが広まっていますが政治家の銃規制に対する動きはどうでしょう。目立った動きはあっていません。
  ニューヨーク市長のBloombergは銃反対を高らかに主張する政治家です。出演したTV番組で今回の件に関して公然と銃規制を求めました。”大統領も公約の中で銃を規制すると言っておきながら何も進展がない”、”大統領候補のミットロムニーもマサチューセツ州知事時代は銃規制に大賛成だったのに今はなんだ”、”全米の警察官はストを起こせ、政治家たちが銃の規制に動かない限り、危険な職務にはつけないと抗議しろ”とまあ胸のすくような批判です。ニューヨーク市長は日頃から銃規制に対してはもっと厳格を求め発言しているのでこの発言に虚偽があるとは思いませんし、本当にあっぱれだと思います。
  ただ、彼が支援している国会議員が銃規制の反対派であったり、またライフル協会と蜜月の共和党にも多くの支援金を支払っている実態があり、この銃規制の違う問題点を見ている気がします。市長の個人的な銃規制に関する熱意は伝わりますが政治家として活動するときにこのライフル協会が手かせ足かせになっている事実はここにも浮彫になってしまいます。絶対にこのシステムはおかしいと思います。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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