Menu

ニューヨーク的思考
RSS Feed

2012 年 7 月 21 日

カテゴリー:NYこのごろ

バットマン乱射事件

またしても銃の乱射事件です。コロラド州の映画館で起きたこの事件。公開されたばかりの話題作バットマンを鑑賞していた観客を無差別射殺。12名が死亡して59名が重傷を負うと言う大惨事です。犯人はガスマスクに防弾チョッキ、バットマンの悪役のジョーカーのメイクでこの犯行に及びました。
  ショットガンやハンドガンによる大量射殺j事件は終わることがなく、最近でもVerginia Techで32名が射殺、コロンビアハイスクールで13名が射殺と絶えることなく事件は起きています。ニューヨークでは今回の映画館内発砲事件に呼応して、NYPD(ニューヨーク市警)がマンハッタン内のバットマン上演映画館に警官を配置しています。事件の模倣犯防止のための緊急措置です。
  今回の事件に遭遇した人たちの証言では射撃が始まった時、最初は隣の部屋の上映の音だろうと思ったそうです。それほどに信じられない出来事です。ほぼ満員の映画館で銃の乱射が起こるなど、米国にいても信じられない話です。映画館に銃を持ち込むこともさることながら、このようなハンドガンやショットガンのような攻撃目的の銃が簡単に手に入る米国のシステムが本当に信じられません。
  今回の惨事の後、オバマ大統領と次回大統領候補のロムニーがコメントを出しましたが、両名ともお悔やみを述べただけで銃規制(Gun Control)の強化に対するコメントはありませんでした。
  実は1994年に今回のような攻撃用の銃は販売ができない法律が成立しました。10年の期限があるため2004年に延期の手続きを行う時、NRA(全米ライフル協会)の圧力でこの規制法の延期は却下されました。NRAは銃に対する議会の動きをことごとくつぶしてきている圧力団体です。過去、8名の現職大統領が会員となったこの団体、銃の取引が軍や政府とあるために大きな力を持っています。
  過去の大統領選でもその力を発揮し、NRAが目を付けた候補者は落選していると言う実態があり、大統領候補者そして大統領には無視ができません。こんな大きな事件があって、誰しもがこんなことが起きてはいけないと思う中、法律で手が打てないなど本当に米国らしくないと思います。
  NYで起きた同時多発テロの911事件。このマンハッタンに民間機が突っ込んだ事件の後、すぐに民間機であっても許可が出れば撃ち落とせると言う法律が成立しました。それほど、そのアクションは早かった。
  しかし何度も起きる大量射殺事件の後にまともな防止法は成立しません。今回もオバマ大統領は一つも明言していません。選挙前でこのNRAの圧力が怖いからです。NRAの主張”人を殺すのは人であって銃でない”。こんなのは屁理屈としか思えません。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

ブログランキング・にほんブログ村へ