Menu

ニューヨーク的思考
RSS Feed

2012 年 10 月 18 日

カテゴリー:NYこのごろ

大統領選3週間前

  昨夜、オバマ大統領と共和党の大統領候補のロムニーによる第二回目の討論会がニューヨーク州でありました。第1回目で劣勢に立たされたオバマ大統領の支持率奪回を狙う一戦として注目されていました。
  今回は前回のデンバーではおとなしくロムニーの発言を聞くオバマ大統領とは打って変わり、ロムニー氏の発言途中から発言を遮り、自分の意見を展開するという非常に攻撃的な戦術に打って変わりました。
  この討論会は今、米国の抱える様々な問題を提起し、それに対するそれぞれの大統領候補が戦略と戦術を明快に述べる。どちらが問題対処のリーダーとして適しているかをTVを通じて国民に問うと言ういわば対決版です。
  大統領選挙を3週間に控えたこの討論会はその投票の行方を左右する大切なものです。民主党の地盤、共和党の地盤と言う州がありますがどちらに転ぶか分からないSwing State(揺れる州)を自分の票にするかが当選での大きなポイントとなります。
  討論の内容は米国が抱えている一番の問題ごとである景気回復による雇用問題からはじまり、女性の雇用論、宗教観からくる妊娠中絶の問題、銃による乱射事件、ガソリン高の対策、そして国防の問題までと90分にわたり幅広く討論が行われ、持論を戦わせ、また相手の弱点を責めるという戦法です。
  第1回目の討論会で優勢だったロムニー氏はオバマ大統領を大統領とは呼ばずYOUと名指しし、挑発的です。ただ今回はオバマ大統領もロムニー氏の失言を責めたりと相当に挑発的です。
  今回の討論会の終わりの集計ではオバマ大統領が支持率を上げ、マスコミもオバマ大統領の勝利だと表現しています。
  このような討論会を経て米国民は大統領を選ぶ基準をなんとするか。政策の違いは明らかにありますが、それは民主党と共和党の政策の違い。米国民はこの討論会を見てどちらが強いリーダーかを見極めます。その判断を意識するから両名とも大統領の気質を討論を通じてアピールします。強いアメリカを作るには強いリーダーが必要。米国民は政策以上にその人物の資質を見ます。
  日本のように政党が選ぶ首相ではなく国民が選ぶ大統領。日本もそうならやはり強いリーダーを選びますよね。このアメリカの大統領選挙のシステムは本当にうらやましく思います。
  大統領選の最後の討論会は来週の月曜日です。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

ブログランキング・にほんブログ村へ