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ニューヨーク的思考
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2012 年 11 月 21 日

カテゴリー:NYこのごろ

感謝祭

 11月22日、明日は感謝祭です。七面鳥にとっては受難の日となります。この感謝祭とは全く別の話題になりますがFisical Cliff(財政の崖)と言う言葉を最近よく聞きます。
  2000年に大統領に就任したブッシュは富裕層を中心に恩恵がある大型減税を行いました。累進課税の上限を39.6%から35%、株の配当による所得は39.6%からなんと15%に減額。中間層も年間700ドルほどの減税としました。この減税の法律が今年の年度末に失効します。実質の増税となってしますので消費がしぼむことが心配されています。
  ブッシュ政権の後を継いだオバマ大統領は2011年の議会で予算を通すためにBudget Control Act of 2011(財政管理法)にサインしました。日本と同じ”ねじれ国会”になっている米国。共和党の反対を何とか抑えるための苦肉の策です。この法案は2013年から10年間で1兆2千億㌦(120兆円)の歳出を減らすというものです。これが実行されれば防衛費を中心に2013年だけで6070億㌦(60兆円)もの予算がカットなり、国内消費がしぼみます。すでにロッキド社やボーイング社は大幅なリストラを宣言しています。
  このブッシュ減税の終わりと財政削減が同時にやってくる危険性を財政の崖と呼んでいます。この年末までにこの2つを何とか解決しなければ米国の景気は後退するでしょう。ねじれ国会の中、民主党が共和党の協力を得れるかが大きなポイントなります。
  新興国に投資していた企業は新興国の通貨をドルに換え、不景気に備えようとしています。おかげで米㌦は徐々に値を上げています。日本にとっては円安を招き、悪くないのですが、米国の景気が冷え込めば元も子もありません。100万人の雇用が失われてしまうという財政削減、オバマ政権の正念場です。
  木曜日の感謝祭の次の日はブラックフライデーと呼ばれ大手家電店やスーパーなどが大安売りを行います。ブラックとは、黒字のことを意味し、この日は売り上げが伸びて儲かると言う意味です。クリスマス商戦の幕開けです。ところが多くの店ではこの売出日を前倒しして明日の感謝祭から始めると言う異例の事態となりました。不景気に突入するのではないかと言う懸念からの前倒しです。再選されたオバマ大統領の手腕を見守るしかありません。

広域通信制高校 一ツ葉高校 校長

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