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ニューヨーク的思考
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2013 年 1 月 17 日

カテゴリー:NYこのごろ

ニューヨーク州銃規制可決

  賛成104対反対43でニューヨーク州が新しい銃規制の法律を可決しました。昨日、火曜日の夕方5時にCUOMOニューヨーク州知事が法律にサインしました。昨年の12月14日のクリスマス前にコネチカット州ニュータウンの小学校で起きた銃乱射事件を受けてニューヨーク州がどこの州よりも早くより厳しい銃規制の法案を可決しました。
  小学校1年生の生徒20名、大人6名を射殺したこの事件は今、全米で銃規制の動きを加速させています。今回のニューヨーク州の新しい法律ではセミオートマチックの銃を禁止したばかりでなく、弾倉も7発以上をを詰め込む物は禁止となり、現行の10発から更に厳しいものとなりました。
  日本人にとってはそれでも銃は解禁のままであることが信じられないことですが、ここ米国では画期的なことだと言えます。まず、銃規制を阻むのが The Second Amendment(米国憲法第2条)で保障される、自衛の権利です。この法律を盾にNRA(全米ライフル協会)は銃の規制を猛反対しています。共和党はNRAの支援を受けています。つまり銃の規制には賛成できません。それでも可決されたこの法案。多くの小学生が犠牲となった昨年の事件が米国民の心を動かしています。
  ニューヨーク州でこの法案が成立する前にはNRAから銃の所有者へ電話やメールで反対行動への連絡があったようですが大勢を変えることは出来ませんでした。この法律によって禁止されている銃や弾倉を持っている人は売るか、1年以内に登録し直しを求められています。弾倉を売る業者もそのDataを登録することが義務付けられ、誰が多くの弾丸を所有しているのかが追跡できるようになりました。  ニューヨーク州は米国において他州に先駆け銃規制の法案の可決に成功したわけですが。ライフル協会NRAは黙っていません。”Such an assault in Albany on Second Amendment rights and Democracy is the true assault weapon.”(アルバニー<ニューヨーク州議会のある場所>における憲法第二条と民主主義への襲撃こそが本当の襲撃の武器だ)と言う声明です。Cuomo知事に関しても将来の大統領選に向けての票稼ぎとこき下ろします。
  ただ、この銃規制に反対する人が多くいるのも事実です。アルバニー近くの銃専門店では1キロ近くに及ぶ道の両サイドに車が並び、新しい法律が規制される前にセミオートマチックを買い求める人の長蛇が出来ました。客の一人の言い分は”We do the law abiding thing. We are going to get penalized because of people who are breaking law.”(法律を破るやつらのために自分たちが法律に我慢しなければならなくなった)と。
  このような言葉が公然と出るのは銃を所持すること、銃をスポーツとして楽しむこと、が当たり前とする米国の感覚からです。このような米国社会が本当の銃規制に成功するのはいつの日か見当がつきません。
  銃反対の親分、ニューヨーク市長のブルンバーグでさえ、今回のニューヨーク州の新しい法律を次のように評価するのが精いっぱいでした。”I think this protects the Second Amendment rights of people and at the same ime makes all New Yorker safer” 私はこの法理が憲法第二条の権利を守り、ニューヨーカーの安全をもっと確かにすると思う。

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