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ニューヨーク的思考
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2013 年 1 月 22 日

カテゴリー:NYこのごろ

大統領就任式

  今日はMartin Luther King Jr. Day、祝日です。非暴力運動で公民権法を勝ち得たキング牧師のメモリアルデーです。
  I Have a Dream で始まる、黒人差別の解決を訴えた有名な演説で知られるキング牧師は1986年4月4日にテネシー州メンフィスで暗殺されます。当時は公然と人種差別がなされ、黒人専用のトイレやレストランがあった時代です。とても民主主義をうたうアメリカとは実態がかけ離れいた時代でした。キング牧師は差別に対して非暴力運動を訴え、その運動は全米中に広がり、ケネディー大統領の政権下で公民権法(Civil Rights Act)ととして実現しました。
  いくつかの州で公然と行われていた人種や宗教、出身国、性別で差別を行うことを国全体として禁止した法律です。ただ、その後、米国はベトナム戦争へと突入し、戦地での黒人差別は続き、キング牧師の主張する非暴力運動は暴力肯定のマルコムXなどの影響もあり、勢力が無くなります。
  そのマルコムXも暗殺され、まもなくキング牧師も犯罪歴のある白人に暗殺されてしまいます。
  レーガン大統領の時代につくられたキング牧師のメモリアルデーの本日、黒人のオバマ大統領の2期目の大統領就任式がありました。キング牧師が暗殺されて丁度45年目のこの年に2期を続ける黒人の大統領が現れるなどその当時は誰も想像ができなかったでしょう。
  就任式ではニューヨーク州出身の上院議員Charles Schumerの冒頭のメッセージ、司会で始まり、数々の歌も披露されます。ニューヨークブルックリンのコーラス隊”Battle Hymn of The Republic”に始まり、セレブ達の歌がスピーチの合間に続きます。Kelly Clarson “My Country”, James Taylor”America, The Beautiful”そしてビヨンセ(Beyonce)”Star Spagled Banner”。なんとアメリカを称賛する歌が多いことか。何か大きな式典があるときは国家と合わせて必ずこのような自国称賛の歌を参加者全員で合掌します。
  寒い冬場の天気の中、本日、ワシントンのホワイトハウス前に集まった人tの数は70万人と言われています。この人たちがオバマ大統領を前に国旗を振り、国家高揚の歌を歌います。共和党、民主党と政策は違っても国家は一つなのです。この風景を見るたびにうらやましい気がします。日本ではこのような光景が見られないからです。
  誇らしげに歌う米国民をみると国民が全員で歌え、国を再認識する機会が日本にもほしいと思います。
  オバマ大統領の演説は4年前とは違い、保険の問題や、銃規制、女性賃金など現実的な内容となり、チェンジを謳った初年度とはかなり厳しい印象を受けました。浮いたことを言えない2期目ですが、その分、現実路線で米国を正しい方向へとリーダーシップを発揮することを期待しています。新しい4年間が新内閣とスタートします。

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