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ニューヨーク的思考
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2013 年 6 月 13 日

カテゴリー:NYこのごろ

肥満

  米国は肥満体国です。カリフォルニア州など西に比べると東部のニューヨークはさほど肥満も多くないような気がしますが、ここで生活していると肥満も見慣れて普通になってしまいます。しかし日本の様子を思い出すととんでもなく太った人が多いことに改めて気が付きます。
  先週、イタリアレストランで食事をしていると後ろの女性黒人グループの一人がパスタを注文。ウェイターがチーズをグラインドしてパスタの上にかけるのですが、ストップの声がかかりません。いつまでかけるんだろうとそれとなく様子をうかがったのですがチーズの粉かけサービスは延々と続き皿に盛ってあるスパゲッティと同じ量以上にスパゲッティ上にチーズの富士山が乗っているような状態となっていました。唖然としましたがウェイターは当たり前のような表情、本人はおいしそうに食事を始めました。
  2011年、ニューヨーク市では5695名が糖尿病関係の病気で死亡しています。この数は90分に一人の市民が、そして毎日16人の市民が糖尿病関係の病気で死亡していることになります。糖尿病の一番の原因は肥満です。ニューヨークの糖尿病は深刻で2002年に20万人のニューヨーカーが糖尿病であったのから2011年にはなんと65万人に跳ね上がっています。これは過去最高の記録ですが、来年も再来年もこの記録は簡単に更新されるだろうと専門家は指摘しています。
  この糖尿病による志望者の数は人種別にみると黒人が10万人中116名と一番、ヒスパニックが81名、白人45名、アジア人41名。また地区別にみるとマンハッタンのMurray Hillが19名に対してブルックリンのBrownsvilleが177名。これらのデータは明らかに所得が低い人たちに肥満が多いかを物語っています。
  肥満は贅沢なものを食べすぎたからではなく、値段が安く腹の膨れるもの、つまりカロリーが高いファーストフードを常食としてることが大きな原因です。所得の低い層がより肥満になりやすい。ファーストフードを夕食にもするアメリカの風潮なら理解できます。
  ブルーンバーグ市長はこうした背景を理由にコーラなど砂糖の入った飲み物は16オンスまでのカップしか売れないと言う法律を出して、ベンダーなどから訴訟を起こされています。何とか肥満の防止をしなければ市民の安全は守れない。ただ、ひっ迫する市の財政事情からこれ以上多くの患者を出すと治療サポートの財源がなくなるという違う側面も見えてきます。市長の思惑がどこにあるかは別にしてもこの異常な糖尿病志望者の数は何とかしなければなりません。まずは子供たちの学校での教育の中で”食”を教える。市民に糖尿病予防の啓発をすることが大切と思います。

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