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ニューヨーク的思考
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2012 年 3 月 10 日

カテゴリー:NYこのごろ

校長の解雇

  ブロンクスの高校の校長がクビになりました。生徒の出席をごまかしていたのが原因です。出席していない生徒を出席していると報告していることが分かって解雇されました。この女性校長は年間145,000㌦(1450万円)の高収入を得ていました。それにプラス25,000㌦(250万円)のボーナス。こんな好条件のしっかりした校長が生徒の出席をごまかしたくらいで解雇になるとは厳しすぎると思いませんか?  それがここニューヨークでは生徒の出欠、態度、成績の教育庁へのうその報告は重大な犯罪となってしまいます。それは先に再三、ご紹介しているようにニューヨークの学校は出欠や成績、治安などでランクがつけられ、基準以下の学校には期限指定の改善命令が出ます。期限以内に改善の成果がないと廃坑処分となります。それと連動してその学校の校長をはじめ教師はその責任をとって解雇となります。
  反対にランクが良い学校にはボーナスも出て、その給与もそのランクに準じることになります。今回、解雇された校長はトップランクを維持していた学校の校長で欠席した生徒のおかげでそのランクとボーナスを失いたくなかったのでしょう。
  この手の報告のごまかしはブルンバーグ市長の作ったニューヨークの新教育システムの大きな落とし穴となっています。成績のごまかしは後を絶たず、教職員同士の評価のかばい合いも見受けられます。どんなシステムを作っても使う人間がルールを守らねば何にもなりません。どこの国でもこのことは同じですが、新しくできてまだ年数が浅いこのシステム、いまから運用のノウハウをもっとみがく必要があります。が、米国の教育のこのシステムは日本よりははるかに進んでいると思います。

広域通信高校 一ツ葉高校校長

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