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ニューヨーク的思考
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2012 年 4 月 19 日

カテゴリー:NYこのごろ

バスの運転手に武器を与える?

Tasersって知っていますか。映画などで時々見る電気が走って相手を気絶される武器です。NYPD(ニューヨーク市警)も凶悪犯を逮捕するときに場合によってはこのTasersを使用します。このTasersをバスや電車の運転手に携帯させるという案が上院議員から提案されました。
バスや電車の運転手が武器を持つなど日本では考えられないでしょう。ニューヨークでは過去にバスの中や電車の中で銃の乱発事件やナイフを振り回す事件がありました。このような凶悪な事件は頻繁にあるわけではないのですが、バスや電車の運転手に乗客が悪態をつくという事件が後を絶ちません。
地下鉄とバスを運営するMTAの発表によると運転手に唾をかけるような悪態をつく事例が年間で1000件を超えているということです。バスの運転手が乗客に羽交い絞めにされてけがをするという事件も続きました。
  バスの本数が減ったりとか、停車駅が減ったりとか、公共の交通のサービス縮小が続く中、運賃の値上げは容赦なく行われ、このようなバスや地下鉄を運営するMTAに不満を持つ客が多いのも事実です。
  長引く不況の中で所得の増加どころか、仕事さえ見つからない市民。そんな市民の不満がいつも利用するバスや電車のサービスの対応の悪さに爆発する。こんなことは決して許されることではないのですが、それに対抗して武器で身を守ると言う発想は事態をさらに悪くするような気がします。
  NYPD(ニューヨーク市警)もこの提案には反対しています。Tasersを扱える警官は訓練を受けた上級の警官に限られていて一般人であるバスや電車の運転手が使用することは危険だと言う主張です。もっともな意見だと思います。そもそも暴力には暴力でと言う発想はいかがなものか。あまりにも短絡すぎませんか。

広域通信制高校 一ツ葉高校 校長

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