カテゴリー:NYこのごろ
合理的な米国なのに官僚主義
フェデラー7度目のウィンブルドン優勝。これでサンプラスの記録と並びました。30歳でたいしたものです。世界1位に返り咲き!まだ彼の時代は終わっていない。負けたアンディも大したものでした。76年ぶりの英国人のウィンブルドン決勝進出と言う国民の期待の重圧を想像すると大変だたっと思います。負けたアンディが試合直後のインタビューで、感傷的になって涙がじゃまをして、センターコートの英国観衆へメッセージを伝えられず、振り絞って言った”みんなが応援してくれたけど、それは簡単ではなかった”との言葉がとても感動的でした。
日曜日の朝、試合を観る前に120ページに及ぶ、私の論文は完成しました。これはUS政府外郭団体に提出する大事な書類です。今、PCTECHの学校長のFRANK氏に送って間違いがないか見直してもらっています。質問に答える形式で書いていくこの書類。質問の意味を深く汲み取る作業からしなくてはなりません。昔やった大学の試験みたいな質問が永延と100題以上続きます。勿論、事実に基づいて正解を出さねばならないので正解を記述するために多くの論文を読むことになります。大変な作業で17日間休みなしでした。朝は3時から起きて作業する日もありました。それも無事に終了しての試合観戦でした。
ニューヨークの学校はニューヨーク州教育庁、連邦政府のDHS(国家安全保障局、移民局)、Accredttion Body(政府外郭認可団体)の3つに統治されています。PCTECHも例外ではありません。学校の運営はこの3つの規制をクリアしなければならなく本当に大変です。
米国は日本と比べるとビックリするくらい官僚的制度が強いと思います。役所は圧倒的に強い。それぞれの役所は管轄下にあるビジネスをたちどころにストップさせることができる力を持っています。つまり役所の通達には逆らえないと言うことです。
学校の経営を例にするとカリキュラムや教材は教育庁の認可が必要です。勿論、教える教師はライセンスが入ります。これもPCTECHも例外ではありません。日本ではカリキュラムや教材を一々、許可を取る必要はありません。あくまで自主判断ですがニューヨークは違います。また一度認可を取った教材やカリキュラムでも4年でその認可は無効となります。4年ごとに新しく認可を得なければなりません。
先生ですか?これも日本みたいに手ぬるくありません。まずニューヨーク教育庁が主催する30時間のコースを受けてそれから教師ライセンスの申請。認可が下りてもこの時点ではそのライセンスは1年で切れます。次の年にさらに上級コース30時間を受けて試験に合格してようやく3年もののライセンスがもらえます。3年教えた時点で切れることないフルライセンスに挑戦ができます。
人にものを教える仕事ですからこれくらいあってもやりすぎではないと思います。ただカリキュラムもライセンスも提出する書類が多くて閉口します。書類が多い分、審査も暇がかかって認可に時間を取ります。この書類中心的なプロセスがいかにも官僚的と映るわけです。合理的なアメリカとイメージが大きく違います。書類の審査のために多くの人手がいる。その為に多くの税金がいる。自分の支払った税金がそんなところで使われるのは納得がいきません。これは日本でも同じと思います。
広域通信制高校 一ツ葉高校校長