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ニューヨーク的思考
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2012 年 9 月 6 日

カテゴリー:NYこのごろ

9月は新学年のはじまり

  ご承知の通り、米国の新学期は9月です。9月の初めの月曜日がLabor’s Day(労働記念日)の休日となっていて、これが終わると学校が始まります。今日はその新学期のスタート日です。
  ニューヨーク市の小学生から高校生までの約110万人が学校に戻ってきました。6月27日に始まった夏休みも終わりです。米国の学校の夏休みは2か月以上もあり、日本よりずっと長いですが、成績の悪い生徒は進級できないためこの夏休み期間中にサマースクールと言う補習を受けなければなりません。これは成績の悪い子供を放っておかないと言う法律(NO Children Behind Act)があるためです。このようなところは日本よりずっと組織的に動いている感があります。
  前にも話題にしたようにニューヨーク市の学校は市長の管轄下にあり、日本の教育委員会なるものはありません。各学校の生徒のテスト結果や生徒の素行などにより学校の評価がランクされ、結果の悪い学校は改善要求を出され、改善がなされなかった学校は廃校となります。これは市長の権限の元に行われます。
  廃校になった学校の代わりに新しい学校もつくられると言う、荒っぽいやり方ですが分かりやすい教育改革と言えます。この9月の新学期に55の新しい学校が作られ、その半分近くが民間が経営するチャータースクールです。チャーター(Charter)と言う学校の憲章を掲げ、その理念のもとに運営を行う学校です。
  このチャータースクールは公立よりもその存続するためのハードルが高く、自らが定めた数値目標を達成できなければ廃校となります。近年、このチャータースクールの成果が目覚ましく、ブルンバーグ市長は公立の学校よりチャータースクールの開校を支持しています。
  市長の元に権限が集約しているので教育改革も前に進むと思います。やり方が強引なのは否めませんが理屈ばっかり言って前にも進まない日本の教育事情と違い、このニューヨーク市のやり方は”考えながら走る”と思えばかなり進歩的に見えます。
  それでも教育の主役は子供と親、街のあちこちでは新入生のわが子の写真を撮る姿が多く見られました。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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