カテゴリー:NYこのごろ
コーラ、ジュース禁止令
Large Sugar Drinks Ban、大型の砂糖入りドリンク禁止令。具体的にはコーラなどのアメリカで言うLLサイズ(16オンス以上、450cc)の飲み物はレストランや映画館では売ってはいけないと言う法律です。この法律が市長ブルーンバーグの強力な後押しで明日可決されるところ、直前の本日、ニューヨーク州最高裁から法律は違法であると差し止めの判決が出ました。
State Supreme Court のMilton判事はこの法律は”arbitary and capricious”つまり独断的で気まぐれであり個人の自由を侵害するものであるとして違憲としました。法律施行の前日の判決ですがソーダ会社などがこの法律は違法であると市を訴訟していた結果の差し止めの判決です。
もともと、市長には強い権限がありますが、ブルーンバーグ市長は特に持論を強引に推し進める傾向があります。学校の裁量権を市で統括する、市長の在任期間を延長する法律を自ら作る、レストランに衛生のランキングシールを貼る、そしてレストランでの喫煙を禁止する。今度は砂糖入りの大型ドリンクの禁止を目指しました。多くの市民はやりすぎと批判しています。私も禁煙例までは本当にありがたいと思いましたが、ドリンクまではねえ。
市長の言い分は肥満は禁煙に次ぐ大きな問題だ。太った人は普通の人と同じ仕事でのパーフォーマンスは出せない。肥満は低所得層に集中している、とあらゆる持論を展開。最高裁から差し止めの命令が出るまではニューヨークのこのLarge Sugary Drinks Banは全米の模範となるまで言い切っていました。
レストランや映画館は収益ダウンになると猛反対、市民もそこまで鑑賞されたくないと反対。それを押し切って明日、施行の予定でした。なぜそこまでやるのか。実はもっと別次元での問題があります。市のHealth Care System,市が負担する市民の健康に対する経費が大きくかさんで破産しそうなのです。市長は何とか経費を減らしたい。肥満を無くせば肥満が原因で派生する多くの病気を防げる、つまり経費が減ると言う公式です。禁煙である程度の効果を得て市長は次の手を打ったわけです。そう考えれば、Large Sugary Drinks Ban もいかにも合理的なアメリカ発想のもとだったと言えます。