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ニューヨーク的思考


国歌斉唱 2014 年 2 月 1 日

 今日は随分暖かい気がします。気温はマイナス3℃。マイナス10℃が続いていたので同じマイナスでも暖かく感じてしまいます。スパーボールが近づく週末ですが、ニューヨークでは毎日、スーパーボールの話題で盛り上がっています。
 昨日はスーパーボールに登場する歌手のインタビューがあっていました。皆さんご承知のようにスーパーボールのハーフタイムと言えば大物歌手の登場で本選と同じくらいに盛り上がります。2012年はマドンナ、2013年はビヨンセ、そして2014年はブルーノとすごい顔ぶれです。一大ショービジネスとなるスーパーボール、CMもいつものCMではなくスーパーボール用のCMが作成され、やはり大物たちが登場、TVを見る人たちを飽きさせません。
 このスーパーボールで出るもう一人の歌手はオペラ歌手のRense Fleming。米国の国歌を歌います。ワシントンンのオバマ大統領2回目の就任式ではビヨンセが国家を歌いました。後に、生の声でなく、吹き込んだ声であった疑いが起こり、騒然となりましたが・・・。
 米国では数々のイベントで冒頭に必ず国家が斉唱されます。USオープンテニスの開会式にも国家が斉唱され、それぞれの有名な歌手が多少のアレンジを加えながら熱唱します。参加者全員が起立し、高らかに国歌を斉唱します。この光景を見るときいつも少なくともこの瞬間、アメリカ国民が一つになったように感じます。日本にも国家があるのですが、気持ちを一つにして歌えているアメリカ人を見るとうらやましく思ってしまいます。

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スーパーボール 表と裏 2014 年 1 月 31 日

 快晴です。部屋の中にいるといっぱいの日差で暑いくらいです。でも外は体感マイナス10℃以下。本当にたまらないギャップです。外に出る準備をすると大変な厚着になるわけですが出るまで部屋の中では暑くてたまりません。
 イーストリーバ沿いの公園は毎朝、散歩やジョギングを楽しむ人たちが数多く見かけるのですがここ1週間はさすがに走っている人は見かけません。私も毎朝のジョギングが日課ですが、この状況ではとても出来ません。
 さて、この寒さの中、昨日水曜日に Super Bowl Boulevard(スーパーボールブルバード)が正式にオープンしました。34丁目から47丁目のブロードウェイに作られたスーパーボールを盛り上げるための通りです。目玉はTobboganと言う巨大な滑り台です。60フィート(21Mほど)の高さがある巨大滑り台、滑り下りるレーンは大きく波打ちながら下に向かい横に8レーンがつながります。8人の人が同時に滑るわけです。”そり”のような板をお尻に敷いてゆっくり波打ちながら滑り落ちていくと言うしろものです。一人5㌦のアトラクションです。その他スーパーボールのゴールをまねたものやスーパーボールに関係する商品やアトラクションがずらりとあります。
 このスーパーボール通りの開会式にはデ ブラジオニューヨーク市長、クオモ知事も参加し、スパーボールをニューヨークのお祭りに盛り上げます。米国人は色々な行事を祭りに盛り上げるのが本当に上手と思います。その大がかりな仕掛けもそうですが盛り上げること自体が米国気質のように感じます。
 こんな健全なお祭りムードの中、このSuper Bowl Boulevardから数ブロックしか離れていないLower Eastで買春と麻薬の販売組織が今朝方、警察の急襲で全員逮捕されました。18人の組織で大がかりに麻薬と買春の取引をおこなっていたようです。彼らはParty Packと称し麻薬と買春のセット販売をしていたようです。まあ、買う方も買う方ですが、この販売、数週間前、つまりスーパーボールが盛り上がり始めたころから活発になり、他州からスーパーボールを目や手にやってくる人たちをターゲットしていたようです。スーパーボールで裏ビジネスも活況になるとは米国の気質はやはり異質な感じがします。

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一般教書演説って? 2014 年 1 月 30 日

 昨日、火曜日のニューヨーク時間午後9時からオバマ大統領による一般教書演説が行われました。日本語のこの表現はぴんと来ず何のための演説なのかよく分かりませんね。英語では the state of union address と言います。stateとは日本語訳すると”状況”、unionは連邦国家、すなわちアメリカ合衆国のことです。一般教書演説と言う堅苦しい言い方をやめて直訳的に言うと大統領が国の状況を演説すると言うものです。
 一般教書演説は毎年1月の最後の火曜日に実施されます。元々、大統領は議会に参加する権限がありません。この一般教書演説は上院下院の議員に対して大統領が党を超えて国の現状に対する考えを述べるものです。大統領には全権限がありますからこの一般教書演説には議員の他副大統領をはじめ各省の長官が出席します。リスクをいつも考えるアメリカは第3の大統領継続件があるPresent pro temporeに選ばれた上院議員、また行政長官1名、上下院の格闘1名をDesignated Survivor(指定された生存者)として欠席させます。
 もし、万が一、この一般教書演説がテロなどで攻撃されも国を運営できる最小の人数を残すと言う考えです。いつもどこかで戦争をやっているアメリカは絶えず、戦時下にあります。この姿勢は日本も見習うべきです。現状の日本は戦時下は感覚としてまだ遠いと考えている人は多いと思いますが。大地震なのど災害時を考えれば同じことが言えます。
 演説の内容は経済に重きがなされましたが移民法の改正、教育への設備投資など多くの声明が出されています。逆転国会が続き、オバマケアで不評を買う現政権の中、明るい兆しはシェルガスの革命による景気回復でしょう。米国民は戦争に勝った大統領、景気を良くした大統領を支持します。任期まで後半を迎えたオバマ政権。どこまでやれるのか2014年のスタート演説でした。

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極寒が続く毎日 2014 年 1 月 29 日

 東海岸、南部で猛威をふるっているWinter Storm Leonの影響でニューヨークも極寒が続きます。マイナス10℃前後で体感温度はマイナス20℃近くです。みんな、外ではエスキモースタイルで厚着です。
 しかし、この寒さ、10分程度ならまだ辛抱できるのですがどんなに厚着していても寒さが体に染み入ってくる感じです。長時間外にいるのは絶対に体に悪いと本当に感じます。
 この時期、ニューヨークでは靴を履いた犬をよく見かけます。犬だってこの凍てついた道路を歩くのは大変です。マンハッタンの東側を走るイーストリバーには氷の塊が流れてきます。凍った海面を船が裂いた氷が流れてくるのでしょう。
 冬景色に帽子をかぶり、エスキモースタイルの人々、ニューヨークと言う大都会にはしっくりいかない風景です。マンハッタンのアッパーウェストでは寒さのため水道管が破裂し、今朝は数ブロックが閉鎖となりました。週末はLeonの影響も薄れ、スーパーボウルの日はキックオフの時間、最高で0℃になるようです。こんな寒さの中で過ごすと0℃でも暖かく感じるから不思議です。

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Snow Storm Aftermath 2014 年 1 月 24 日

 どっかり雪が積もったSnow Stormの後は極寒です。嵐が去った後の朝は快晴!ただ外はマイナス18℃と言う寒さ。風はあまり強くないもののこの快晴にしてこの気温。ニューヨークらしい天候です。ニューヨークに住みだした頃、窓からの快晴を見て薄着をして外に出て、心臓が止まる思いをしたことがあります。それほど部屋からの見た目とはちがっていました。
 元々ニューヨーク市の住居はセントラルヒーティングが主で日本と比べると室内は本当に暖かいです。法律によって暖房はMUSTです。そんな部屋の中で窓から見る風景が青々とした快晴だったら油断したらだまされてしまいます。さすがに今は快晴であっても十分に用心します。ただこの天気のよさと気温の低さのギャップには毎回、驚きます。
 吹雪がさって今日で2日目、吹雪が去っても温度は上がらず要注意の日が続いています。除雪車が取り除いた雪は完璧でなく道路のあちこちに黒ずんだ氷のやまを作っています。除雪は市の仕事、吹雪の日にどれだけ市民生活を守れるのかは市の責任でその功績によって市長を評価すると言うのがニューヨーカーのスタンスです。
 災害が起これば天災だから、とまず思ってしまう日本の気質とは大きく違います。災害時にどれだけ多くのリーダーシップを払って住民を守るかと言うのが首長の役割でそれがニューヨーク市長と言うわけです。ハリケーンサンディが来たときもそうですが先頭で意見を述べその備えを説明するのは市長であり、消防や、衛生局など他の部署ではありません。すべてが市長の権限に関わると言う図です。
 今回の吹雪も市民生活が平常通りに保たれることが市長の大きな役目。吹雪明けの学校の開校の是非も市長が決めます。すべて権限は一点に集中すると言う米国大統領に倣ったやり方です。
 昨年までのブルームバーグ市長に変わり今年からはBill De Blasio(ビル デ ブラジオ)氏が新市長です。ブルームバーグ市長の強引な市制を改めると言う基本方針の市長ですが今回の吹雪の対応には住民からは辛口評価です。もっと衛生局を使って渋滞をなくすべきであったとか、学校は休校にすべきであったとか(出席率は50%を切ったようです)。市民は災害に対する予防の実績を評価します。中には市長はマンハッタンに住んでいないので事情が分からないと言う意見もあります。冬のシーズンは始まったばかり、まだまだ吹雪は到来します。次回はもっとうまくやるとデ ブラジオ市長もプランを練っているはずです。

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マリファナ解禁 2014 年 1 月 23 日

 コロラド州とワシントン州で嗜好品としてマリファナ(大麻)を販売することが合法となりました。マリファナを合法化している州は他に17州ありますがいずれも医療用の使用に限ってです。連邦法では嗜好品としてのマリファナの販売は禁止されており、いまだマリファナで稼いだお金は銀行に預けることはできません。
 ワシントン州より先に解禁されたコロラド州ではデンバーでマリファナ販売大手の店に列ができる盛況です。州法によって一人28gだけ、また公共の場でマリファナを吸うことは禁止されています。他州ではコロラド州にマリファナツアーに行く企画まででて大きな波紋を呼んでいます。
 元々、マリファナは日常的に行商で違法販売されていた経緯はあるものの合法にすることが良いのかどうかは大きく意見が分かれています。コロラド州の小さな子を持つ母親はマリファナが子供の食べ物に混じることを心配しています。
 先日、オバマ大統領が記者会見の中で”マリファナはアルコール飲料(酒)より害がない。以前からマリファナは害がないと政府内に沢山のレポートが存在していた。”などのコメントを出し、これまた物議を醸しています。自身もマリファナの経験があり、害はなかったとの見解です。
 マリファナの合法化に関してはお金の問題は大きくかかわっていると思います。もちろん、マリファナの嗜好品販売が出来る州は大きな税収を得ることができ、実際、コロラド州はマリファナ販売で得る巨額の税収を教育設備に充当する考えを表明しています。州の収入は大きいのですが、もっと大きいのが米国全体でマリファナの取締りに必要な経費です。 数年前、セントラルアメリカの国立公園でマリファナが堂々と栽培されていたと言うショッキングな事件がありました。米国の国立公園は規模が広く、その山の奥で栽培されていたわけです。もし、もっと本格的にマリファナ取締りをすすめるとしたら莫大な経費がかかることになるでしょう。表だっての議論は出ませんがそのような事情もあると思います。 ニューヨークではジュリアーニ市長が采配を振る前、20数年前まではマリファナの取引があちこちであり、特にニューヨークのトイレが取引の場として活用されていました。そのなごりでいまだにニューヨークのデパートなどを除く商用ビルではトイレはカギがかかっているところがほとんどで、カギなしではトイレの利用ができません。アルコール飲料も事件を引き起こす”悪”のイメージの強い米国。それなのに大統領がアルコール飲料よりまし、と言ってしまうのは理が通りません。

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Winter Storm 2014 年 1 月 22 日

 いきなりのWinter Stormです。昨日までは2インチ程度(5cm程度)の積雪と予想されていた雪の予報が本日朝には大雪、大風警報に代わり午前の終わりころから明日、水曜日の朝、6時までWinter Stormの警報に変わりました。最大積雪は14インチ(36cm程度)の予報となりました。
 市内の学校は科課外活動を中止し、会社員にも出来るだけ早く帰宅するように命令が出ています。PC TECHも2時で終わりです。降りしきる雪は市内の道路、またマンハッタンと他州を結ぶ高速道路にも積雪しだして交通渋滞を起こしています。ニューヨークでは原則、タイヤにチェーンをしません。チェーンをしている乗用車を見たことがないので禁じられていると思っていましたが、大雪の日にバスがチェーンをしているの見て、法律で禁じられているわけではないのかもしれないと今は定かではありません。ただ、乗用車はノーマルタイヤのまま走ります。
 市は交通に支障がないように衛生局を出動させ除雪作業に当たります。市内と車の通りが多い道路は何とか運転は可能ですがそれでもスリップします。当局は不要不急の車の運転は避けるように指示を出しています。視界も悪いので遠出はもちろんNGです。困るのは車だけでなく地下鉄です。ニューヨークのメインの交通と言えば市内を網羅する地下鉄と他州をつなぐノースメトロです。いずれも雪や雨には弱く、大雪の日には除雪が間に合わなくシャットダウンするこはしばしばです。
 当局が会社員にも早目の帰宅を促し、会社もこれに従うのがこの理由です。大陸特有のこの気候の変化はしばしばで会社もこのような事態は当たり前と受け止めています。5時過ぎのはずのラッシュアワーは3時くらいに繰り上がり、皆、帰宅を急ぎます。外は18℉、マイナス8℃、強風のため体感温度はマイナス20℃位です。明日はもっと冷え込むようで今週は極寒の週となるようです。

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米国気質 2014 年 1 月 19 日

 自由の国、米国。資本主義の国、米国。そして民主主義の国、米国。と米国はその自由主義を世界に発信しています。その米国のトップが大統領。
 私の感じる米国は官僚、権威主義です。オバマ政権のあとの次期大統領選挙の選挙合戦はすでにはじまっています。民主党からはヒラリークリントン女史が有力視され、彼女の応援した知事が当選、多くの国民が女性大統領誕生へと期待を寄せます。かたや共和党では作昨年、ハリケーンサンディがニューヨークと隣のニュージャージー州に上陸し、多くの被害を出したときに、共和党でありながら民主党のオバマ大統領と一緒にニュージャージー州の被災地を見て回った現ニュージャージー州知事のChris Chritieが有力候補。その被災地訪問風景を全米にAmerican Governor(これこそアメリカの知事)とTVなどのメディアを通じアピール、全米から大きな支援を得ていました。
 2001年の911ニューヨーク同時テロの時も、当時のニューヨーク市長ジュリアーニが同時テロの被災地を回りリーダーシップを全国民にアピールし、やはりAmerican Mayor(これこそアメリカの市長)となりました。その後、ジュリアーニは大統領選挙へと進みます。
 アメリカ人の気質の一つに”ヒーロー”があります。人を助けたり、難しい場面でリーダーシップを発揮して皆を導いていく人を米国人はヒーローと呼んで拍手喝さいを送ります。サンディの時、リーダーシップを発揮したChristie Chritieはまさにそのヒーロの一人。共和党からの大統領候補第一人者に名乗りを上げても不思議はありません。
 しかし、このヒーローのまわりで何やらよからぬムードです。ニュージャージー州にはニューヨークに隣接するHoboken(ホーボケン)と言う市があります。ここの市長をChrisの側近が脅したことが発覚。連邦政府から出るハリケーンサンディの復旧予算で市の再構築を行うのですが、知事側から指定された業者を使えとの脅し。知事側の言う業者は知事の内閣にいた元幹部が今、その業者のLobyist(顧問)をしています。その顧問弁護士も知事と深い関係があります。
 ハリケーンサンディでヒーローになった知事がその復旧予算で私欲に走っていると言う構図です。
 更にBridge Gate事件。ニューヨーク州とニュージャージー州にもう一つの接点の市としてFort Lee(フォートリー)があります。私もテニスをやったり、日本食品を買ったり、よく車で出かける場所です。すいていればマンハッタンの自宅から高速で橋を渡って20分くらいで到着です。その橋をWashington Bridegeと言います。時間によってはひどく混みあうのですが、事故がない限り、昼間はすいています。この橋でFort Leeからニューヨーク側に入る料金所のレーンが2車線閉鎖されたのです。去年の9月3日から13日、意図的に閉鎖されてFort Lee側は大渋滞を招きました。閉鎖したのはChrisの側近。ニューヨーク州知事クオモの命令により解放となりましたが大変な迷惑です。
 Chris側は交通調査のためと説明。しかし”今こそFort Leeで交通問題を起こす時期”と言う側近のメールが見つかり、去年のニュージャージ州知事選挙でChrisを支援せず、反対政権を支援したFort Lee市長への仕返しと判明。大きな反応を呼んでいます。仕返し…いわゆる権力の見せつけ。言うことを聞けと言う意味でしょうか。こんな米国の側面見る限り、自由より権威欲、官僚欲、そして個人主義の進んだ国と感じてしまいます。この大国、根っこは何かなと考えさせられます。

 

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USCBP 2014 年 1 月 17 日

しばらく日本にいました。昨日、ニューヨークに戻りました。いつものことながら12時間のフライトは長い。機内は乾燥して天然パーマ系の私の頭は直毛になりました。それでも予定より30分早く到着したのは少しだけうれしい気分になりました。
ニューヨーク国際空港JFKでちょっとした異変がありました。日本でいう出入国管理は米国ではUS Custom & Border Protectionといいます。Borderは国境のこと、Protectionはまもること、Customは税金です。この名称は日本の出国入管理と言う表現より国境を守り、国を守ると言う意味合いをもっと強く感じさせられます。移民大国アメリカは多くの移民を認める反面、多くの不法移民がいます。その不法侵入を防ぐのがこのUSCBPの役割です。
アメリカに入国する人はアメリカ市民をはじめ旅行者もすべてこのUSCBPで審査を受けます。日本人の旅行者なら3ヶ月以内滞在であればビザは免除されますので多くの日本人はビザなしで入国カードをきちんと書けばだれでもでに入国して米国を旅行できると考えていると思います。ですがそれは大きな間違いです。ビザなし旅行者を含めすべての人がUSCBPで入国審査を受けるのです。つまり、旅行者であってもUSCBPの審査官の印象とその判断によって入国拒否の可能性があり得ます。
 幾たびとなくこのUSCBPの入国審査を受けて米国へと入国していますが、この審査官たち、お世辞にも親切な人とはいえません。米国の役人は本当にお高く、フレンドリーからかけ離れています。質問の仕方はものすごく大柄で、何か悪いことをしたかと勘違いするくらいです。
  冒頭に書いた”異変”ですが、以前までUSCBPの前に作る列は2列でした。1列が旅行者と学生ビザや就労ビザを持っている人たち、2列目はビザの要らない人たち、つまり米国市民か米国永住権を持った人たち。
  しかし、今回は従来の2列が3列に増えています。1列目は同じですが、2列目は米国市民、3列目は永住権を持った人たちとなっていました。どうやら米国市民は機械によって入国審査が簡素化されている模様。私は永住権保有者なので3列目と進みます。1列目、2列目にくらべて非常に少ない列です。待ち人数が少ないのは歓迎ですが、人数が少ないことを見越した審査官は執拗に質問をします。職業のことや、なぜ日本に長期いた理由など、果ては私が米国を留守している間、米国の会社は誰が面倒を見るのかなどです。それも何とかして入国を拒否しようと聞こえるような横柄な言い方です。
  まあ、このようなやり取りは毎度のことで驚きませんが、審査官は”永住権は米国側にとっては米国市民になるプロセス、そのプロセス途中でみだらに米国を離れることはけしからん”と言うスタンスです。テロの侵入も防がなければいけない審査官、米国の背景はよく理解できますが、列が3列と増えたおかげで今後の審査時にGrillされ(執拗に質問される)入国にすごい時間がかかると思うとものすごく憂鬱な気分になります。

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クリスマスチップ 2013 年 12 月 26 日

 この時期頭が痛いのがクリスマスチップ。ドアマン、駐車場従業員、その他自宅の管理で世話になっている人たちに一年間の感謝を込めてクリスマスチップを渡します。日頃は何か特別なことをしてもらったお礼として手渡す少額のお金ですが、この時期は彼らにとってはボーナスみたいなもの。ある程度、まとまったお金を渡さねばなりません。いくらと言う決まりもなく相場も分からないのですが、色々と聞くと10㌦くらいから多くは100㌦まで。とても安い額ではありません。もらう方は一人からもらいますが、渡す側はかなりの人数に渡すことになり大きな出費となります。
 このクリスマスのシーズンはクリスマスチップがらみで関係者たちの私に対するサービスも日頃より、より丁寧となります。クリスマスと言う心温まるシーズンのおかげでもありますが、日頃のサービスの質によってチップの額が決まるわけですから、出来るだけ印象良くしようとする努力は理解できます。
 もともと米国はチップ制です。日本人には馴染のないチップ。慣れるのには時間がかかります。レストランで食事をすれば15%くらいのチップは残す。タクシーに乗っても15%位のチップを渡す。タクシーはクレジットカードも使えますが、運転手はいい顔をしません。トラブルをさけるためにも現金で支払ってしまいます。一ドル札が手元にない時はチップを支払うのに苦労します。米国で生活し始めたころ、タクシーに乗る時、一ドル札があることを確認していましたが、米人のしぐさを観察してなるほどと思いました。20㌦札しかない時でもまずお釣りをもらってそれからその釣銭からチップを払えばOKです。ただ15%の計算をするのはいまだに面倒です。
 米人が15%の計算になれているかって?私もそう思ったのですが、レストランの中で携帯電話で計算をしている人を時々、見かけます。携帯にはチップ計算のアプリなどあります。チップは働く人の大事な収入で、多くをもらうためにサービスに力を入れる。この構図はよく効果が出ているように思います。日本のサービスは世界一と思いますが、日本にもチップ制があればもっと細やかなサービスが実現するのかもしれません。

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