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ニューヨーク的思考
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2012 年 3 月 17 日

カテゴリー:NYこのごろ

51番目の州

  アメリカ合衆国は50の州で成り立っています。それぞれの州に独立権があり、州ごとに法律が違います。実はアメリカの公用語は英語であると憲法では定められていません。ただフロリダなどいくつかの州では公用語は英語であると定めています。
  今年の11月に実施される大統領選で民主党のオバマ大統領の対抗馬として共和党からの候補者選びがデッドヒートしています。Mitty Rommey氏とSantorum氏が有力です。このサントラム氏がプエリトリコで公用語を英語にしなければならないと発言して反感を買いました。
 プエリトリコは正式な州ではありません。キューバの北に位置するこの地区はその歴史的背景とアメリカの南米への政策からCommonwealthと言う特別地区として定められています。この島には400万人の住人が住み、米国への税金は免除されながら米国からは福祉を得るという特別な扱いをされています。
 ただ、大統領選挙をすることは出来ません。そのかわりに米国国会の下院に1名の議員を送り出すことができます。でもこの議員には採決権はありません。本当に特別な関係の地区です。
 住人は米国のパスポートを所持する米国市民です。住民の大半がスペイン語を話します。ここでサントラム氏が州に昇格したければ英語を公用語とするべきだと発言をしたのが問題になったわけです。大統領選挙ができないのでこの自治区で問題があっても大勢に影響はないように思えますが、大統領候補のなるためには共和党の代議員の半数1,144名の支持がいるのです。このプエリトリコにも23名の代議員が居ます。いくら自治区と言っても無視はできない地区です。
  51番目の州に昇格するかどうか今年、プエリトリコでは住民投票があります。米国は United States of America, つまり州の集まり。独立した地区の集まりです。ニューヨークにも多くのプエリトリコ人がいますが彼らは米国民としてのプライドを持っています。広い米国だからこその特殊事情です。

広域通信制高校 一ツ葉高校 校長

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