Menu

ニューヨーク的思考
RSS Feed

2013 年 4 月 23 日

カテゴリー:NYこのごろ

ボストン事件

  ボストンマラソンでテロが起きました。 このような事件があるたびに米国の複雑な事情を思い知らされます。今回の事件背景はまだ明らかにはなっていません。一般市民をターゲットにしたテロが実行されたのはあの2001年の911、同時テロ以来です。
  ニューヨークをはじめ米国は様々なテロを警戒しています。米国は移民大国です。今度の容疑者兄弟の兄は永住権を得たのち市民権を得ています。つまりアメリカ人です。米国は国力を強化するために海外から多くの移民を受け入れます。オバマ大統領の政策にも米国が成長する要因として積極的に海外からの移住を受け入れる考えを表明しています。具体的には、大学で勉強している優秀な学生が米国で働きやすくして、そのまま、米国民の資格を取得できる制度を新たに作るとか、その一方で不法滞在者の強制送還もしっかり行っています。
  もちろん、米国で生まれ育った米国人が多いのですが、その人口を凌駕するかのごとく移民系の米国人が増えています。カソリック系の米国人が主体の中、イスラム系の米国人が増えているのも実態で、海外での様々な対立で今回のような事件が起きる可能性をあちこちに秘めています。今回も911の同時テロを起こしたアルカイーダの関与も指摘され、米国内を震撼とさせました。
  日々暮らしていると平和な風景ばかりのように感じますが、国民は心のどこかで絶えず、このテロの危険を感じています。飛行機や地下鉄に乗る時もふとテロのことを思い出すのは私ばかりではないと思います。911を経験したニューヨークでは他州のテロにも敏感で、今回のボストンでのテロ事件を受けて繁華街、地下鉄等にすぐに警官が動員されました。組織的犯行に備えるためです。
  一方で市長や識者はテロが起きるかもしれないとおびえてはいけない。テロリズムはその怯えにつけ込む。普段どおりの生活をすることが大切だと説きます。冷静になれということでしょうが、何だか言葉通りに取れないようなアドバイスです。世界のすべてで戦争の消える日は来るのでしょうか。

広域制通信制高校 一ッ葉高校校長

ブログランキング・にほんブログ村へ