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ニューヨーク的思考


DNC(党大会) 2012 年 9 月 7 日

昨日、民主党の党大会(Democratic National Convention)があり、オバマ大統領が正式の次期の民主党からの大統領候補として宣言をしました。
  演説は前々大統領である同じ民主党のBill Clintonに始まりました。国民的人気を誇るBill Clinton、演説も非常に説得力があり、観衆からの喝さいを浴びます。オバマ大統領は4年間で経済が大きく成長すると言う彼の予測は道半ばであると認め、この仕事の続きをあと4年やらせてほしいと訴えます。また、大きな功績の一つとして911の米国同時多発テロの首謀者であるオサマビンラデンを殺害したことを上げ、競合の共和党にはできなかったはずだと訴えます。
  このDNC(民主党党大会)はTVで放映され、米国民が関心深く観ています。いよいよ11月に迫った大統領選挙、共和党も民主党もヒートアップです。米国の選挙の場合、この演説が一番大事でその演説内容だけでなく、いかに分かりやすく話すか、いかに詩的に話すか、いかに印象深く話すか、そして言いしくじりがないことが大切です。演説べたは大統領にはなれません。
  TVで放映されるこの演説、絶えず、国民一人一人に向かって話されます。直接、国民に訴えかけるこの演説、なぜこの人が大統領であったほうがよいのかそうではないのか、本当に考えされます。
  今、日本でも民主党と自民党の代表選挙の真っ最中ですが、日本の総理大臣を決めるのと同じ意味がある各党の代表選挙は、国民への訴えは乏しいし、国民が総理大臣候補である党の代表を選ぶことも出来ません。
  米国の大統領選挙を観ていると、大統領に就任してからなぜ大統領が尊敬されるのかよく分かります。それは国民自身が選んだと言う自負だと思います。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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9月は新学年のはじまり 2012 年 9 月 6 日

  ご承知の通り、米国の新学期は9月です。9月の初めの月曜日がLabor’s Day(労働記念日)の休日となっていて、これが終わると学校が始まります。今日はその新学期のスタート日です。
  ニューヨーク市の小学生から高校生までの約110万人が学校に戻ってきました。6月27日に始まった夏休みも終わりです。米国の学校の夏休みは2か月以上もあり、日本よりずっと長いですが、成績の悪い生徒は進級できないためこの夏休み期間中にサマースクールと言う補習を受けなければなりません。これは成績の悪い子供を放っておかないと言う法律(NO Children Behind Act)があるためです。このようなところは日本よりずっと組織的に動いている感があります。
  前にも話題にしたようにニューヨーク市の学校は市長の管轄下にあり、日本の教育委員会なるものはありません。各学校の生徒のテスト結果や生徒の素行などにより学校の評価がランクされ、結果の悪い学校は改善要求を出され、改善がなされなかった学校は廃校となります。これは市長の権限の元に行われます。
  廃校になった学校の代わりに新しい学校もつくられると言う、荒っぽいやり方ですが分かりやすい教育改革と言えます。この9月の新学期に55の新しい学校が作られ、その半分近くが民間が経営するチャータースクールです。チャーター(Charter)と言う学校の憲章を掲げ、その理念のもとに運営を行う学校です。
  このチャータースクールは公立よりもその存続するためのハードルが高く、自らが定めた数値目標を達成できなければ廃校となります。近年、このチャータースクールの成果が目覚ましく、ブルンバーグ市長は公立の学校よりチャータースクールの開校を支持しています。
  市長の元に権限が集約しているので教育改革も前に進むと思います。やり方が強引なのは否めませんが理屈ばっかり言って前にも進まない日本の教育事情と違い、このニューヨーク市のやり方は”考えながら走る”と思えばかなり進歩的に見えます。
  それでも教育の主役は子供と親、街のあちこちでは新入生のわが子の写真を撮る姿が多く見られました。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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役所仕事 2012 年 8 月 29 日

  最近、PCTECHの学校運営整備に忙殺されています。ライセンス更新のこの時期、多くの提出書類を用意しなければなりません。一ツ葉高校もそうですが、日本の学校は文部科学省に管轄されています。前にも書きましたがニューヨークのビジネス学校は大きく分けて3つの政府関係の管轄下に入ります。一つは日本の文部科学省に相当するニューヨーク州教育庁(NYS Department Of Education)。この管轄部門がニューヨーク州の学校のライセンスを統括しています。
  学校運営のライセンスは4年毎に更新の義務があり、その都度この NYS DOEが学校運営のInspection(査察)を行います。何を教えるかのカリキュラムもNYS DOEの承認が必要。また、もちろん先生もここからのライセンスが必要。教室の生徒数も査察で決められています。これらすべての許可事項は期限があってどれもこれも期限前に更新をしなければなりません。
  多くの書類を教育庁に提出して認可事項をすべて更新するわけですが、提出する書類の作成も大変ですが、一番大変に思うのは提出した書類に対する教育庁からの返事がおそろしく時間がかかること。1か月は早いほうで2か月たっても返事がなく、次のステップに進むことができません。電話しても期限までまだ待てとかメールしても返答がないとか、本当にそっけない返事しかありません。
  消防庁から出る更新に必要な消防検査もその証明書を得るのに2か月かかりました。ニューヨークの役所仕事はほとんどがこのペースです。永住権を取得するプロセスなど10年は当たり前。役所はBecause Of Lack Of Man Powerと人手が足らないからと返事しますが、いま直面しているライセンスの更新などは期限がありそれに間に合うように手続きを済ませるには役所の適切な動きが必要です。
  6月から準備を始めていたライセンスの更新ですがようやくすべて手続きが終了しそうで2週間後には教育庁の担当者とMeetingができそうです。そのあともまだ続くのですがゆっくり前に進んでいる感じです。教育庁に言わせると1000近くの学校を面倒みているので時間がかかるとのことです。それでもこの夏休みは担当者はしっかり2週間の休みを取ってその期間中、手続きは完全にストップ。米国は担当者がすべてやってしまうので担当者が休めばストップします。この考え方も日本のやり方を知る私には大いに不満です。広い大陸の中で考えもゆったりする、米国人らしい考えですが、ビジネスは別物と役所も考えてもらいたいものです。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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爆破事件 2012 年 8 月 22 日

  昨日の昼間、マンハッタンの住宅街で爆発騒ぎがありました。私の自宅の近くです。マンハッタンは南北に1番、2番、3番と通りが走り、東西に1丁目、50丁目などと名前の付くストリートが走り、碁盤の目のような道路の作りです。
  この2番通りはスーパーやレストランなどが立ち並ぶ住宅街です。このメイン通りと72丁目を結ぶ交差点で大きな爆発事故が起こりました。2番街の地下は今、新しい地下鉄路線を建設中でその上の道路も工事で封鎖されて迂回路ができていた関係もあり、奇跡的に一人のけが人もありませんでした。
  テロによる犯行ではないということで、工事中にトンネル掘削で使用するダイナマイトが爆発した模様です。実は道路の爆発は1回だけではありません。ニューヨークの映画などで道路から白い煙が立ち込めているのを見たことありませんか。あれは地下を走るスチームがもれて蒸気となって道路上に立ち込めているのです。このスチームの力を借りて冬は暖房、夏は冷房の動力としています。非常に古いシステムで、100年以上経つものもあります。
  このパイプが爆発して大勢の負傷が出た事故がありました。今回の事故と同じように道路が吹っ飛んで大変なことになり一帯は2,3週間立ち入り禁止でした。この事故は私たちの学校のPCTECHのすぐ近くで起こりました。ニューヨークは建物も非常に古くやはり100年近くの建物もいっぱいあります。最近は古い建物がブルックリンで倒壊し大きな事故となりました。これもたまたま夏休みシーズンで部屋に誰もいなかったことから大きな参事には至らずにすみました。
  ニューヨークに住んでいるとこのような事件は結構あります。貿易ビル跡の建設中ビルの屋上にセットしてある大型クレーン車が落ちてきたとか。どうしても日本と比較してしまいます。こんなに狭い地区でやたらと事故がある。これはやっぱり米国流と米国気質が日本とかなり違うからと思ってしまいます。簡単に言えば”おおざっぱ”。悪く言えば”いい加減”。
  エレベーターに乗りかけた人がエレベーターが突然上昇したため即死したという悲惨な事故もありました。とても信じがたく、またエレベーターに乗るときは足早になってしまいました。予期せぬこのような事故が起きないようにと事故が起きると当局が厳しく取り締まり、事件に関係した各社は営業ができなくなる、責任者は逮捕など本当に取り締まりには充実しています。しかし事故を起こさない発想や日頃の管理は遅れている気がしてなりません。事故防止のために考える手順がさかさまな気がしてなりません。厳しく取り締まれば各関係も管理に注意するだろう。分かりやすい発想ですが、これは合理的ではないと思います。

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100億円ぱあ 2012 年 8 月 18 日

  前にも話題にしたニューヨークのタクシーです。ニューヨークではこの街の象徴の一つともなっている黄色いタクシー、Yellow Cab(イエローキャブ)が主流です。日本と同じように手を挙げれば止まって行き先まで乗せてくれるタクシーです。これとは別にLiverty Cab(リモ)というリムジンタクシーがあります。予約制で飛行場などに行くときに指定した時間に自宅などに来てもらうタクシーです。
  ニューヨークのイエローキャブは空車が少なく、つかまえるのは中々、大変です。イエローキャブはマンハッタンを中心に13,237台が走っています。十分そうな台数ですが、ニューヨークを訪れる多数の観光客も利用するため、タクシーは大幅に不足気味です。
  一方、リムジンタクシーは18,000台。このリモも拾えれば、少しはタクシー事情は和らぐのですが法律上、認められていません。リモはあくまでも予約専用で、空車で走っているときも通りの人を乗せることは違法です。ただ、このタクシー事情で朝などリモを拾って出勤している人は良く見かけます。乗る前に値交渉して乗ってますね。リモにはメーターが付いていないのでまず値段の交渉は必須です。
  イエローキャブを運転するにはMedalion(メダリオン)と呼ばれる営業許可書が必要です。タクシーの運転手でこのメダリオンを持っている人はまずいません。タクシーにはこのメダリオンを持つオーナーがいて、そのオーナーが運転手にメダリオンを貸しているという図式です。  このメダリオン、オーナーが株のように売買し、最近ついた値は$1 Milion 以上、つまり日本円で一つのメダリオンに1億円以上の値が付きました。タクシー不足の現状。大きな値が付くわけです。
  ニューヨーク市長のブルンバーグ氏はリモも往来で客が取れるようにし、またそれに合わせて新たにメダリオン2000コを発売する算段でした。この案には市議会の賛同を得ることができず、州知事に直接、談判し、知事のクオモ氏から承諾を得てスタート間近でした。
  面白くないのはメダリオンのオーナー、また競合が増えるタクシードライバーたち。裁判になったこの事例、本日、市長の負けと決断されました。市議会の承諾を得ていないこと、そのおかげでメダリオンから得る新たな収入の使い道がはっきりしていないことです。いかにも市民サービスの向上を狙っているかのようかの市長の案ですが、市はこの販売で100億円相当の臨時収入を見込んでいました。見込みが外れてどこで穴埋めをするか痛いところでしょう。
  増収につながる話だと市と州はすぐに協力し合います。分かりやすいシステムですが、タクシー運転手の生活など関係している人のことはあまり考えず、ずいぶんと乱暴だと思ってしまいます。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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Running Mate 2012 年 8 月 13 日

大統領選挙もいよいよ大詰めです。オバマ大統領に対する共和党の大統領候補者ミットロムニー氏が副大統領候補としてPaul Ryanを指名しました。副大統領の指名はRunning Mateと呼ばれ、大統領選を一緒に戦う大事な仲間の指名となります。
  米国では大統領の緊急事態の時は副大統領がその役目を果たすこともあり、副大統領候補の考え方は大統領候補と一心同体とみなし、副大統領候補の指名は大きく選挙戦を左右することになります。
  2008年の大統領選ではオバマ大統領は副大統領にバイデン氏を指名し、白人で年配の起用により自身の欠点を補いました。一方、対する共和党の候補であったMcCain氏は比較的若い女性のSara Palin氏を指名し、話題を呼びました。ところがSara Palinは選挙キャンペーン中にさまざまなミスの発言をして、副大統領候補として不適格であると批判を呼びました。
  McCainがSaraを指名したのは当時、民主党で大統領候補をオバマ氏と競っていた女性のヒラリークリントン氏を支援する女性票を狙う一策もありましたが、見事に当てが外れ、落選しました。
  今回の共和党の副大統領候補は42歳のPaul Ryan氏。ウィンスコン州の下院議員です。大統領候補のRomney氏はモルモン教徒でカソリック福音派の支持が多い共和党では不利。Rayan氏は信心深い福音派カソリック。また、ロムニー氏がマサチューセツ州知事時代に社会保障制度を制定したことが現時点でのオバマ氏に対する皆保険否定のロムニー氏の立場を矛盾と批判する実情。このPaul氏はマサチューセツの社会保険制度を頭ごなしに批判。
  と言うように副大統領として才に長けるので指名するのではなく、自分の欠点を補うために指名する。これが米国流です。現職の大統領を破るのは並大抵ではなく、今回の副大統領候補の指名がどれくらいロムニー氏に風を呼ぶか。何事も計算高く動く米国流。これが合理主義なのか、あまりにも分かりや過ぎて味気がない気もします。

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TAX 2012 年 8 月 6 日

アメリカの税金は日本より安いと言われますが決してそんなことはありません。給与から引かれる所得税、その他は3割以上にもなり、日本よりずっと高いです。ただ給与所得が上がっても税率が大きく上がらないため、高額所得者にとっては日本より納める税金が少ないと言うシステムになっています。
  オバマ大統領は中間層の所得を高くするためにこの金持ち優遇策をやめることを公約に入れています。そうすれば中間層の消費欲が増し、経済が活性化すると言う理屈です。対する共和党のロムニーは高額所得者の税金を増やすことは会社経営者のやる気を失い、雇用を高めることができないと言う理屈です。どちらが経済に効力を発するのか確証はありません。ただ、アメリカが依然、景気後退を脱していないことは事実で、このことが11月の大統領選挙に大きく響きそうです。
  会社経由ではなく自分で計算して自分の税金を納めるアメリカでは税に使い方やその額にものすごく敏感です。自分が納めた税金をどのように大統領が使うのか、大変、シビアに見ています。この点は日本とは大きく違う気がします。日本では会社通しで税金を納めてしまって、自分では何もできないシステム。これは第二次世界大戦の時に戦費として税金が必要だったから作った古いシステム。見直す機会があっても良いように思います。
  ニューヨークは消費税が8.25%です。全米の中でも非常に高い税率で隣のニュージャージ州では5%程度だったと思います。日本での消費税率の論議にヨーロッパは20%は当たり前と言う題目がありますがアメリカの例は出てきていません。米国で消費税を上げることになると国民は納得せず、その政策を掲げた大統領は失脚すると思います。直接選挙で選ぶ大統領選だから国民にそのようなパワーがあるのだと思います。

広域通信制高校 一ツ葉高校

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RIG(大型トレーナートラック) 2012 年 8 月 1 日

  昨日の夕方、PCTECHが面する42丁目の通りで事故がありました。グランドセンラル駅の上を走る車道に誤ってコンクリートを積み込んだ大型トラックが入り込み道路の壁に衝突。コンクリートの破片が下の歩道にばらまかれるという事故です。この道路はグランドセントラル駅の上を橋のように渡っている歩道の上の橋のようなもので下は駅に向かう大勢の人たちが歩いている場所です。奇跡的にけが人が出ることもなく済みましたが、一歩間違えば大惨事となるところです。
  混み合う歩道の上をまたぐように走るこの道路は乗用車専用道(Passenger Car Only)でトラックは入り込むことは出来ません。この大きなトラック(コンボイ、Rig)の運転手はマンハッタンから出たくて道を間違えたと言っています。
  他州からくる大型トレーラートラック(Rig)の運転手が道を間違えるのはよく見ます。マンハッタンは日本でいう環状線のような高速道路がその周りを囲んでいます。マンハッタンを抜けるにはこの高速道路を使うのが一番手っ取り早く、すべての乗用車はマンハッタンの出入りにこの道路を使っているといっても言い過ぎではありません。ただ、」この道路は乗用車専用(Passenger Car Only)。
  他州から高速でニューヨークまでたどり着いた大型トレーナートラックがそのまま高速を利用するマンハッタン入りを目指し、この環状線(FDR)に突入してしまう。よく見る風景です。
  NYPD(ニューヨーク市警)がこの違反トラックを止めるまではよいのですが。その度に1時間近くも道路を封鎖します。高速に乗った車はすべてストップし、高速を降りることもできない渋滞となります。止められた大型トラックは牽引されて高速をバックして一番近い出口で出されます。その間、高速は全面ストップ。
  どうして一車線だけでも解放しないのか納得ができませんが全面ストップ。この不運な全面ストップには何度も会いましたが慣れません。もっと分かりやすい表示をすればこのようなこともなくなると思うのですが、トラック禁止の表示は1回だけ簡単なものがあるだけで他州から初めてきたドライバーは気が付かないでしょう。表示を改善するだけで迷惑な道路閉鎖も少なくなるはずです。でもそれはやる気が見られません。気が付かない運転手が悪いという態度。違法を取り締まるが仕事で違法を少なくする発想はNYPDにはないようです。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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自然の力 2012 年 7 月 28 日

この時期のニューヨークは天気が不安定です。天気予報もコロコロ変わって今晴れていてもいつ雨が降るか分からないような状況です。雨もぱらっと降るくらいなら良いのですがこの時期は雷を伴う土砂降りです。
  英語で雨を表現するときScatter(ぱらぱら降る)、Shower(ざーと降る)、Downpour(どしゃぶり)、そしてThunder Storm、適切な日本語がありません。ものすごい豪雨の中で雷が頻繁に落ち、突風が吹き荒れる。時として竜巻も伴う。
  このThunder Stormが頻繁にやってきます。今週は毎日、Thunder Stormがやってきて一日中、晴れていることはありませんでした。台風のようなこのThunder Storm、数時間あばれるとまた晴れ間が見えることも少なくありません。部屋からみているとあちこちに雷が落ち、ニューヨークの摩天楼に雷が落ちる風景はさながら天体ショーのようですが、この自然の力、いいことばかりではありません。
  昨日のThunder Stormのおかげで家の壁が崩壊し、車中にいた人が亡くなりました。決して油断ができないこの自然の猛威。落雷のおかげで停電することもしばしばしばです。ニューヨークの電力はConEdisonと言う会社が配給しています。夏場のこの時期はこの落雷だけでなく、暑さによる電気の使い過ぎで必ず、どこかで停電が起きます。
  その停電の度にConEdisonの従業員が復旧に駆けずり回るのですが実はConEdisonの従業員4,000名が会社側との条件の折が付かず、会社から締め出しを食っていました。労使の主張は食い違い、解決のめどが付かないまま、市長をはじめ、市民はこの夏場の停電時期にどうなることかと心配していました。ここ一週間のThunder Stormがこの労使に解決を促しました。さすがに激しいStormを前にしては労使の主張より停電対策を優先せざるを得なかったようです。4,000名の従業員が職場復帰することになりました。
  自然の力が労使の言い分も丸め込んだようです。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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ICE POLICE(移民捜査官) 2012 年 7 月 25 日

  ニューヨーク市は全米の中でも移民が多く、ブルムバーグ市長も”全米一、移民に優しい市(The most immigrant-friendly city in the nation)”と公言し、また”移民は歓迎する”とも公言しています。オバマ大統領も先月、30歳未満で16歳前に違法入国し、いまだ違法滞在をしている移民に対して合法を認め、合法的な働く権利を認めると発表しました。選挙前のラテン系国民に対する対策とはいえ、概ね、大統領も移民は認める向きです。
  そのような動きに対して実際は年間、数百万人の人が強制送還されています。アリゾナなど米国とメキシコの国境に近い地区などはこの移民法に関しては緩めるべきではないという見解です。それでも米国の流れは移民容認の向きにあるように思います。今週の月曜日に”Immigration Defense Project and Families”と言う団体からニューヨーク市の移民に対する実態報告が出ました。
  移民を統括する部門は非常に大きく、国家安全保障局(DHS, Department of Homeland Security)を傘にSEVIS, USCIS,US ICEと言うように様々な部門に分かれています。テロなどの不穏分子が他国から混ざることを一番警戒する米国ですが、それ以外に移民法に基づき違法滞在者を家族から引き離し追放すると言う乱暴なやり方が横行しています。その実行部隊がICE Police(Immigration and Customs Enforcement)です。
  月曜日に発表された報告によるとニューヨーク市に限ってみても2005年の10月から2010年の12月の5か年の間にICEによってニューヨーク市を追放された人は2万人。アメリカ国籍のある子供がいても、子供から引き離して追放している例も少なくありません。オバマ大統領やブルームバーグ市長が違法移民に対して寛容な態度を見せても現実はそうでないのは法の整備が整っていないからです。
  交通違反などの経歴から捜査を行い、強制送還をしています。寛容なアメリカの印象とこの官僚的なアメリカの実態。時として民主主義が大きくクローズアップされ、時として官僚主義が顔を効かせる。そんな国。ただ、この官僚による権力の遂行は権力者個人の考えによって遂行されているのが実態です。一旦権力を持てばその行使は個人の判断に委ねられる。これが米国流。ICEのこの強制送還は一部の権利者によって実行されているであって国の政策ではない。法の整備が進むか権力者の考えが変わらない限り、この実態は続くでしょう。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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