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ニューヨーク的思考


Facebook公開 2012 年 5 月 20 日

  今日は穏やかな晴天の土曜日となりました。明日の日曜日もまずまずの天気のようですがそのあと一週間はどうやらぐずついてすきっとしそうにありません。4月下旬からニューヨークは雨の日が多いように思います。
  昨日、金曜日にFacebookが予定どおりIPO(Intial Public Offer, 株式公開)をNasdaq Stock Market(ナスダック)で果たしました。株の初値はどうでしたか?ご承知の通り、世間の期待より外れて売値とほぼ変わりませんでした。売値の38㌦でスタートし、初回42㌦5㌣をマークしたものの、最終的には38㌦23㌣でした。つまり23㌣プラスと言うことで多くのTrader(株取引者)をがっかりさせました。鳴り物入りで熱狂的なファンが公開前から株を求める声が全米で報道される中、以外にも冷静な取引でした。
  一時期、株価が売値を下がる懸念もあってFacebook株の引受人大手証券会社のMorgan Stanley(モーガンスタンレイ)がFacebookの株を買いに回ると言うシーンもありました。ただこの期待以下だった初の株の取引については米国内ではむしろ冷静なコメントが続いています。
  2010年に再建を果たして再上場した自動車会社大手のGMの時は取引株価は全株の7%、同じインターネット関連の大手Googleの公開時も7%、ところが今回のFacebookは15%と取引公開の株数が大きく、取引に十分に足りて、株の奪い合いから起こる異常な高騰がなかったとの分析です。裏を返せば状況にあった株数と株値を付けたと評価しています。
  まあ、株の初値よりこれから先、28歳の若いCEOが率いるFacebookがどれだけの収益を上げるかが一番大切なことで、それによって株価も大きく変わります。このFacebookの上場はかのAmazom.com(アマゾン)、Mcdonald’s(マクドナルド)、Hewlet Packard(ヒューレットパッカード)そしてGoogleより大きな資産を作り出しました。
  世界を代表する大手企業の誕生で、米国はこれからの米国経済を引っ張る原動力を得たことになります。Googleは公開で得た資産を200社に及ぶ企業買収で$10.5billion(1兆円)、更に携帯電話の大手Motorola社の買収に現在、その2倍近い資金を使おうとしています。
  Facebookも同じ道を進むでしょう。買収と言えば聞こえが悪いのですが規模の小さい会社の保有する技術を吸い上げ大きなマーケットで勝負する。つまり規模の小さい会社の技術力の勝負の場を上げることでもっと多くの雇用を作り出しているのです。このような動きは米国の経済、そして世界の経済によい動きを与えることには間違いがありません。そんな意味でFacebookの株式公開は大きな意味があります。
  Facebookの公開で得た資産は10兆円ほどでとても大きなものですがそれでも米国の歴代順位では3位です。1位、2位は中国の銀行でした。ここにも中国の潜在的な成長の証拠が見えます。

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ハドソン湾の軌跡 2012 年 5 月 17 日

  私の自宅はイーストリバー沿いの北のほうに位置するのですが、昨日、近所の人たちがCity Hall(市役所)に抗議に出かけました。4、5年前から自宅付近で問題になっているゴミ処理施設建設の反対デモです。もちろん、付近住民である私も反対です。
  DSNY(衛生局)が住宅街の真ん中に土地を所有しており、そこにゴミ処理施設を建設すると言う計画です。その計画地はアスファルトグリーンと言う子供のためのスポーツ施設に接しており、スイミングや野球、サッカー、バスケットボール、陸上競技、と子供のためにあらゆるスポーツの場を提供しています。日曜日はほとんど毎週、何かのイベントが開催され、子連れの家族が多く集まります。
  学校も付近に数校位置し、それ以前に住宅地の真ん中である地になぜ?と思います。
  先日、”ハドソンリバーの奇跡”を起こしたSullenberger(サリンバーガー)パイロットがラジオのインタビューに応じてました。2009年の1月にラガーディア空港を出発したサリンバーガーキャプテンの操縦する飛行機が空港付近を飛んでいた雁に直撃されすべてのエンジンが止まりました。
  事態を冷静に判断したキャプテンはハドソン湾に着水することを決め、空港に戻ることをすすめた管制塔にハドソン湾に着水することを告げました。緊急援助隊がハドソン湾に向かう中、サリバンキャプテンは一人の犠牲者も出すことなくしかも機体もほぼ損傷なく見事に機を軟着陸。
  軟着陸した機体を離れる時は、全員が救出されるまで最後まで海に浮かんだ機体に残り、機を離れる時は沈みかけた機内をもう一度、チェックしたと言う冷静者。そのヒーローぶりは一躍、その名前を全米中にとどろかせました。
  その奇跡のヒーロー、サリンバーガー氏がラジオでラガーディア空港の付近にゴミ処理施設を作ることは鳥を呼び寄せ、飛行機の運航を危うくすると明言しました。問題の土地はイーストリバーを挟んでラガーディア空港との対岸、イーストリーバー沿岸に面しています。  このアメリカンヒーローの思わない援護射撃が我々、付近住民をいかに勇気づけたか。抗議デモがあったのは彼の発言の次の日でした。
  このような問題は皆の利益が一致することはありません。ただ50億円もするような施設(実際は経費を含むと200億円とも言われています。)をこんな高級な土地に建てる必要があるのか本当に疑問です。資産価値の高い土地なのでもっと見合った利用の方法があるように思ってなりません。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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本日より移民取締り強化 2012 年 5 月 16 日

議論を沸かせている”Secure Communities Program”が本日からニューヨークでも有効になりました。このプログラムは連邦政府が各州に実行するように働きかけた簡単に言えば”違法移民の取り締まり強化”のプロフラムです。
  米国で暮らす移民の数は多く、違法で暮らしている人も少なくありません。いつか法律が変わったり、特赦があったりなどを期待しながら現実、米国で国籍のないまま生活している移民は数多くいます。
  全米の中でもニューヨークは様々な国からの移民が暮らす特別な地区。このプログラムの実行には人道的な問題が指摘されてニューヨーク州知事のKuomo氏は何とかニューヨーク州をこのプログラムの実行から守ろうと努力しましたが、失敗して今日の日を迎えました。
  次期ニューヨーク市長候補者の市議会議員スポークスマン Christine Quinn 氏は反対声明を発表、抗議のパレードも予定されています。このプログラムの一番の問題はもうすでに家族をもってこの国にで何十年も生活している人たちに今更、国外追放を言い渡す点や、このプログラムを実施するICE(US Immgration and Customs Enforcemnt, 移民局)のやり方です。
  オバマ大統領はテロやその他の脅威から国を守るためにこのプログラムを実施したのですが、彼のいままでの大統領在任中に100万人の移民が国外追放。
  例え、国籍がなくとも米国で生まれれば米国籍がもらえるのがアメリカ。昨年は5千人近くの米国籍をもった子供たちの親だけが違法滞在として国外追放されています。つまりこれにより5千人もの孤児ができたわけです。
  また、この違法滞在の対象となるのが”犯罪”を犯している人が基本となるわけですが。ICEは本質を捻じ曲げています。重大な犯罪ならまだしも、過去に交通違反のチケットを取られた人なども対象にして、ニューヨークでも多くの人が質問に呼び出されています。これじゃ、自由の国アメリカどころではなく、かってのソ連のKGBのような恐怖です。
  私の知り合いもICEから携帯電話に電話があり呼ばれました。携帯電話の番号を当局が知っていることも気味が悪いのですが国民総番号制のアメリカではそのSS(ソーシャルセキュリティ番号)を調べれば、携帯電話、所得、現住所、所有している自宅や車のナンバーまで分かります。自国の安全と個人のプライバシーや幸せ、いつもアメリカが遭遇する問題です。今日から始まった、この移民取締り強化プログラム、波紋なしには終わらないと思います。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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50億円の住居 2012 年 5 月 16 日

  ニューヨーク市の住宅事情は非常に厳しいです。日本と同じように一戸建ての持家、コンドミニアム(日本で言うマンション)、アパートメント(賃貸住宅)と種類はほぼ一緒ですが、クイーンズ、ブロンクス、ブルクッリン、スタテンアイランド、マンハッタンの5区でなるニューヨーク市の中でも特にマンハッタンン区ではこの住宅事情はことさら厳しく、物件自体があまりありません。マンハッタン区で一戸建ての住宅は見たことがありません。
  マンハッタン区には有名な通りとして5番街、そしてパークアベニューがあります。前にも話題にしましたがこのパークアベニューの50丁目界隈から90丁目界隈はその住宅区の中でもとりわけ格の高い”コープ”が立ち並びます。このコープには委員会があってどんな金持ちでも委員会の承認なしでは入居することは出来ません。歌手のバーバラストライサンド、女優のエリザベステイラー、そしてかのマリリンモンローも入居を拒否されています。あまりにも世間で騒がれる有名な人たちなのでこのコープの住民に迷惑がかかる、と言うのが入居拒否の理由です。
  それほどにステータスの高いパークアベニュー。このパークアベニューの740 Park Ave.(パークアベニュー72丁目)と言う場所にあるコープが売れました。投資家の Howard Marksが買いましたが売値は何と$52.5 Million(52億円)。これはこのコープの売買価格の記録を更新したようです。
  まあ、大変な額ですが、ニューヨークには近代ビルの贅沢なコンドミニアムも立ち並ぶ中、このパークアベニューに面する1929年に建てられた古いビルのコンドミニアムを買う。部屋は30室あるそうですが、この部屋はロックフェラーの息子も所有していたことがあるとのことで、そのような由緒ある場所として古いがための歴史的価値があるようです。セントラルパークすぐ近くにあるこの一等地。この値段は年々、上がる勢いが収まらないマンハッタンの家賃事情の象徴のようです。

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でた、いいかげんな・・米国体質 2012 年 5 月 14 日

  今日も五月晴れの良い天気。ちょっと蒸し暑いくらいです。アメリカでは車を運転するのにもちろん運転免許証が入ります。もう免許を取って15年も経ちますが、日本と同じように筆記試験と実技試験、そして必須の研修受講がありました。
  もともと日本で運転できてはいましたが米国で免許証を取るには新たに試験を受ける必要があります。筆記試験はWebに公開されている情報で一夜漬け、翌日にマンハッタンのミッドタウンにあるNYS DMV(Department of Motor Vehicle,自動車局)に朝から長い列を作って受験しに行きました。一発合格でしたが前に並んでいた3人の若い黒人が全員不合格で、同じ黒人監視官からひどく怒られていたのを見てビビった覚えがあります。
  筆記試験に合格すると免許を所有する人に同乗してもらって路上訓練が可能となります。何回か練習したのち、遠方の実技試験会場に行ったのを覚えています。まだ雪が残っている会場で持ち込んだ車に試験官が乗り込み試験を行います。これも一発合格。私の場合、このように難なく免許は取れましたが、PC TECHのスタッフたちは結構苦労して取得していました。
  取得した免許は1回目の発行では5年間有効。2回目以降は10年間有効で、その10年間有効の私の免許証も来年は更新しなければなりません。以前の更新ではやはりDMVで長い列を作る必要があったのですが、新しい知事 Andrew M Cuomoに変わってから合理化が進み、免許の更新もオンラインで出来るようになりました。
  昨年の11月から始まったこのシステム、私の更新時期に合わせたようにタイムリーでありがたいのですが、よく読んでみると視力検査は専門のところでやってもらわねばならないとのこと。それで今日は眼鏡屋に行ってみました。そんなサービスがあるのか分かりませんがとにかく行って聞いてみるかと。10㌦でやってくれると言うことでしたので検査を受けました。
  まあ、いいかげんな検査で見えなくとも、さっき見えた文字を指してこれは?と聞かれます。今見たばかりだから当然覚えているわけですが・・。あっと言う間に終わる検査で10㌦なので付加サービスでしょうか、最高のスコアで書類を作ってくれました。”いい目をしてるね、全く問題ないわよ。”と言ってくれました。
  帰宅中にこんな検査ならしても意味がないのではと、また、はてオンラインでどうやってこの検査の結果を入力するんだろうと。検査をしてくれた彼女は”オンラインで更新するなら自分の名前と私の検査資格のライセンス番号はこうよ”と読みにくい彼女の筆跡をフォローしてくれました。
  帰ってオンライで早速、更新、視力検査の結果を入力する欄に行くと検査の結果ではなく、彼女の名前とライセンス番号、場所の記入だけ。店では免許証の提示の必要もなく、結果を記録している様子もなく、DMVに店側からデータが行くことはありません。
  米国はあきれるくらいこのいいかげんな措置があります。まあ、免許の更新が終わったのでそれでいいですが・・・。写真は10年前のまま・・。顔が随分と変わったらIDになるのかな・・とはいらん世話か・・。オンラインで80.05㌦+さっきの視力検査で10㌦=100㌦(1万円)。1万円で10年。日本では4000円弱で5年か。手間を考えれば米国の勝ち。でもこんなオンラインなら視力検査は省けばよいのにと思ってしまいました。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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18日にFacebookが上場します。 2012 年 5 月 13 日

  今日もニューヨークは五月晴れでとても過ごしやすい土曜日です。イーストリバー沿いにジョギングをして、Grocery(スーパー)で食料品を注文して、部屋に戻って新聞を読んでいると面白い記事を発見。
  今、ニューヨークだけでなく世界中でもホットな話題がFacebookのIPO(Initial Public Offering、株式公開)。Facebookは5月18日に市場に株の公開を果たします。
  ハーバード大学の時代にこの交流サイトを立ち上げた Mark Zuckenberg。今でもパーカー姿で現れる彼はカリスマ的な存在です。映画”The Social Network”を観た方はご承知の通り、Facebookには創業者としてもう一人、Eduardo Saverinと言う人物がいました。    Facebookが急激に成長する中、この二人は仲たがいとなり、Eduardo Saverinは会社から追放されます。後にかれは創業者であることを裁判で勝ち取り、4%の株を勝ち得ます。
  今度、株式公開されるFacebookは上場時の株価が$96 billion (9兆円6000億円)と言われ、今までにない大きな取引だと話題もちきりです。共同創業者のEduardoも4%ととはいえ、$3.6 billion(4000億円)を手にすることになります。
  その彼が米国民であること(市民権)を放棄しました。ブラジル出身の彼は1998年に米国国籍を取得していましたがこの度、放棄しました。表向きは現在、シンガポールで生活しているので米国の市民権は必要ないとのことですが、報道では大金を手にする前に米国民を放棄し、税金を逃れようとしていると騒がれています。
  過去にも多くの人が税金を逃れるためや犯罪捜査を逃れるために米国籍の放棄を行いました。ただ2004年から法の強化でExit Tax(Exparitation Tax)と言って米国籍を放棄しても特別税がかかるようになりました。
  もちろん、彼もそのことは承知の上で放棄したのでしょうから、この法律の対抗策も考えているのでしょう。米国の税金の取り立ては非常に厳しく、日本の税務署に相当するIRS(Internal Revenue Service)は米国籍を放棄した人の名前を3か月ごとに発表しています。つまり目をつけているわけです。いずれEduardoとIRSの対決となるでしょう。富裕層からの税率を上げようとしているオバマ政権が見逃すわけがありません。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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5月の憂鬱 2012 年 5 月 11 日

  5月だと言うのにニューヨークの朝晩は依然、寒いです。気温が上がったり、下がったりと気を付けないと体調がくるってしまいます。今日は五月晴れのいい天気ですが、このシーズンでニューヨーカーを悩ませるのは”花粉”です。
  日本でもスギ花粉などが大変で多くの人が花粉症に悩まされていますね。ニューヨークでもこの花粉症は同じくあります。英語ではPollen Allergyと言って花粉にたいするアレルギーを言います。
  今日はこのPollen(花粉)が結構多くて鼻がムズムズ、目もかゆくて不快です。ニューヨークのPollen(花粉)は杉花粉ではなく、Mulberry(クワ)・Oak(オーク)・Birch(カンバ)などです。毎年、4月下旬ころからこの花粉が飛びまわり、6月に入るとピタリと止まります。  日本では花粉症の対策に白いマスクをしますが、ニューヨークではそのような習慣がありません。日本のようなマスク自体が売っていません。
  マスクと言えば病院用かもしくは非常時用で日本で見るソフトなマスクではなく固いプロテクターのような先のとがったマスクです。そもそも、街中でマスクをした人を見かけることがありません。
  私がこの非常マスクを着けている人をニューヨークで見たのは2度です。1度目は911のテロの後、消防隊員やボランティアの人たちが、貿易センタービルのがれき撤去時に猛烈なチリや煙などの有害物から身を守るために着用していた時。2度目は新型肺炎のSARS(サーズ)が中国で流行した時、空港の職員たちが着用していた時です。
  米国人にとってマスクは非常時のもので、予防的な意味ですることはまずありません。悪質なインフルエンザ(Flu)が流行していた時に予防のため、日本から持ってきた白いマスクをしていたことがありますが、それを見た黒人から”Where u got that funny mask, man?”(どこでそんな面白いマスク手に入れたんだい?)とからかわれたことがります。
  マンハッタンの中で白いマスクを私一人がつけて歩いていたのがよほど奇妙に見えてのでしょう。さすが、それ以来、マスクをつけるのは躊躇しています。あとで思えばサングラスもしていたので不審者で逮捕されていたかもしれません。マスク、ひとつでも文化がこんなに違います。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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同性婚も政策 2012 年 5 月 10 日

  前にも話題にしましたが、米国では同性婚、つまり女性同士の結婚や男性同士の結婚を認める、認めないの議論が止みません。これは日本では表立って聞いたことがない議論ですが、米国では人権問題と絡み、大きな問題となっています。
  キリスト教ではアダムとイブが人類の誕生のもとであり男子と女子の結婚が当たり前と教えます。当然、同性同士の結婚には反対です。しかし米国の実態では同性同士で生活している人は多く、また家族として子供も育てている家庭も少なくありません。
  そんな現実の中、同性同士でも結婚を認め、社会的に安定した生活を保障することが民主主義だと主張する声も少なくありません。結婚していなければ受けられない社会的保障や、学校などの社会的な場での同性婚を公に認めることが人の平等を認めると言う考えです。
  米国民の多くがキリスト教で、その教えに従えば同性婚はありえないという発想になります。当然、教会も反対の立場です。ただ、同性のカップルが多い現状の中、その人々の人権を尊重し、同性婚問題はキリスト教の教えを超えた別次元と言う人々もたくさんいまいます。
  依然、人種差別を抱えているアメリカではこの同性婚問題も同等の人権尊重問題として重要に見られています。現在、ニューヨーク州をはじめ、米国内6つの州(ワシントン特別区含む)で同性婚が認められています。共和党は同性婚に反対で、対するオバマ大統領が先日、同性婚は連邦法で認められるべきだと発言して大きな話題を呼んでいます。
  この発言のタイミングがノースキャロライナ州で同性婚は憲法違反で、それを支持するCivil Unionも禁止すべきだと言う法案が可決された直後の発言です。この法案が可決された直後、たったの1時間で2万人もの人々がこの同性婚反対法案に抗議のオンライン署名を行いました。
  共和党基盤のノースキャロライナ州で4年前にわずか1%で大統領選に勝ったオバマ大統領。この同性婚問題も政争の具にされているのは間違いありません。日本では政策論争にはならない同性婚問題。米国ならでは政策議論です。

広域通信制高校 一ツ葉高校校長

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大統領再選開始宣言 2012 年 5 月 6 日

 今週の土曜日にオバマ大統領が今年11月に行われる大統領選の選挙活動開始宣言を行いました。オハイオ州で始まった選挙演説。会場には14,000人の観客を動員しました。これはオバマ大統領が初めて大統領に出馬した時の2008年の同じ時期の同じオハイオ州での選挙演説の動員人数の半分以下です。
  当時”Change”のスローガンを掲げたオバマ大統領にはその期待からくる熱狂的なファンが多く、オハイオ州では30,000人の動員を果たしました。前大統領のブッシュ政権で出来た様々な負の遺産。アフガニスタンとの戦争、イランとの戦争、金融規制の緩和から起こった金融破たん、そして大手自動車会社GMの倒産、10%を超える史上最悪の失業率。2009年に政権を受け継いだオバマ政権は難題の山積り。
  無理なサブプライムローンの負担から家を手放した人も多く、多くの人たちが職もなくしました。この4年間は米国の地に落ちた時代と表現しても言い過ぎではないかもしれません。このような背景の中でオバマ大統領は自分の主張する皆保険導入に積極的な態度をとりました。景気の良くない米国民にとって更に負担の増える皆保険制度の導入は必ずしも歓迎ではありませんでした。
  ”オバマケア”と揶揄されたこの保険制度、オバマ大統領は米国を社会主義にするのかとの批判も多く聞かれます。オバマ大統領は米国で初めての黒人大統領。これに対する批判も脈々とあります。
  現職が圧倒的に強いという大統領選挙ですが現在の支持率は共和党からの大統領候補Romney氏と拮抗しています。どちらに傾いてもおかしくない情勢です。私は下院で勢力が逆転しているこの状況の中ではオバマ氏が再選しても、米国は前には大きく改革が進まない気がします。オバマ氏の大勝が見えない今、オバマ氏の再選は経済の沈滞を招きかねない気がします。

広域通信制高校 一ツ葉高校 校長

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Navy Seals特別任務 2012 年 5 月 3 日

  11月の大統領選を前に現職のオバマ大統領と共和党の対抗馬Mitt Romneyの応酬戦がヒートアップしています。あまり強調されることはありませんが、世界の警察役を果たしているこの米国。いつもどこかで戦争をやっています。
  その米国側の最高指導者が別名”Commander in Chief”と呼ばれる大統領。米国軍隊の直属の総司令官は大統領です。米国が戦争で不利になれば当然その総司令官である大統領に批判が集まります。逆に戦争での成果が上がれば大統領の支持率は大きく跳ね上がります。
  憲法で戦争を放棄している日本ではありえない話ですが、戦争の当事者になっている米国民の立場からすれば当然です。自分の息子や娘が戦地に行っている家庭が多くあるわけですから、その司令官の評価が戦争の流れによって変わるのは理解できます。
  2001年の9月11日にニューヨークの貿易センタービルを破壊し、3000名以上の命を奪ったアルカイーダの総大将ビンラデンをオバマ大統領の指揮のもと殺害したのが1年前。1年前のこのミッションが成功した時、オバマ大統領の支持は飛躍的に向上しました。歴代大統領が長年、追い続けたテロの首領をを仕留めたわけですから偉業です。
  しかし、1年経った今、オバマ大統領はこの事実を大統領選のキャンペーンに利用しています。対する共和党のMitt Romneyはオバマ大統領がビンラデン殺害を大統領選に利用していると批判しています。しかし、ここには本物の主役が存在しないと思います。ビンラデンの指揮のもと起きた911の参事、本当はその犠牲者や犠牲者たちの家族のことにもっと話題が集中すべきです。来たるべき大統領選でそんなことは横に置かれてしまっています。ビンラデン殺害の本当の意味を米国民は考えるべきだと思います。
  Navy Sealsとはオバマ大統領の指揮のもと、このもっとも難しいミッションと言われたビンラデン殺害作戦を成功させた米軍一の特殊部隊です。1年経った今、彼らに対する賛辞よりも大統領選での取り扱い方のほうが大きく取りざたされています。

広域通信高校 一ツ葉高校 校長

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