カテゴリー:ニューヨーク情報
ニューヨーク市医療費削減の涙ぐましい取り組み
11月2日に行われる世界最大級のマラソン「ニューヨークシティマラソン」。ニューヨークシティマラソンが26.2マイルに対して今日日曜日に行われたセントラルパークマラソンは18マイル。ニューヨークシティマラソンの準備マラソンとしてたくさんのランナーが参加します。
3人に1人は肥満とレコードがでているアメリカ。ニューヨーク市は70万人が糖尿病の治療を受けていると言います。
ニューヨーク市は、その肥満率を解消しようと学校の給食を工夫したり、砂糖入りのジュースの販売を禁止しようとしたり、あらゆる手立てを考えますが「食べるものを政府が法律で規制することはおかしい!」となかなか市民の同意も得られません。
前市長、ブルーンバーグ氏の「特大サイズのソーダ禁止の条例」が最終的に裁判で無効になったにもかかわらず、それでもなんとか肥満率を下げようと、市は法律が可決されようとされまいと涙ぐましい努力です。
ニューヨーク市の取り組みは
1. レストランなど飲食店でのトランス脂肪酸の使用の禁止
2.飲食店のカロリー表示の義務化
3. ファーストフード等などでのおもちゃのオマケ禁止
4. 学校の給食改善(低脂肪食やサラダ中心の給食)
しかも肥満税(Obesity Tax)の検討まで行う有様です。
でも最近の調査報告では、それでも市民の肥満率は低下していないとのこと。
それどころか、マンハッタンを除く他の4ボロ(区)は逆に肥満率が上昇。
「市民の健康のため」という大前提を掲げていますが、内情は市民が健康を損なうことによって市が病院へ払う補助金の増加を止めたいわけです。
なぜなら、、肥満が原因でニューヨーク市が支出する医療費はなんと75-77億ドル(約7000億円)にも昇るからです。
この財政事情を少しでも軽減しようと、ニューヨーク市はいろいろなイベントを行い収益確保をしています。
今週終了したニューヨークのファッションウィークもその収益確保の努力の一環。
今日行われたセントラルパークマラソンも、市民に健康を促す一つのイベントです。
私の感覚では、ニューヨーカーはまだ健康に注意しているほうの州ではないかと思うのですが、、
朝はたくさんのニューヨーカーがジョギングをしていますし、企業でも「太っている人」「タバコを吸う人」は自己管理ができないというベースがあり、昇任にも支障をきたします。
ただニューヨークは移民のるつぼといわれる街で、高所得者と低所得者が大きく分かれる大都市でもありますから、どうしても低所得者はカロリー計算を横に置いた安価な食事ですますことによって肥満度(Obesity)も高くなるのでしょう。
ヘンな話ですが、アメリカはカロリーが高い食事のほうが安く手に入り、健康的な食事はお金がかかります。
カロリーと価格が反比例する国です。
留学生の皆さん、留学費用を抑えることも大事ですが、異国で病気になると心細いものです。ニューヨークのB級グルメやバーガーキング、マクドナルドを中心とした食生活をされていれば、少し考えたほうが良いかもしれません。
学校の授業は10時からですので、朝の散歩やジョギングをする時間は十分にあります。一日の朝の時間に少し運動を取り入れて、ニューヨーク市に貢献してみてはいかがでしょう?
ちなみに私は、毎朝少し遠くのデリーまで歩いて新聞を買いに行くのが日課です。
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